【大紀元日本5月4日】中国呉儀副首相率いる代表団が昨年4月に訪米した際、米国の対中貿易赤字膨張に対する不満を解消するため、ボーイング社737型旅客機80機などを含み、米企業から約150億米ドル(約1兆7925億円)の巨額の買い物をした。それに続き、中国当局は日増しに高まる対中貿易赤字により生じた各国政府や民間企業団体の不満を解消するため、今年9月に各国企業に対して再び100億ドル(約1兆1950億円)に及ぶ買い物をする予定だ。
北京晨報によると、中国商務部の高虎城・副部長は今年4月24日に開かれた「2007年中国(上海)国際海外見本市」の記者会見で、「中国政府は今、全力で貿易不均衡問題の解決に取り組んでいる」とし、「これらの努力は必ずよい成果をもたらすだろう」と話した。また、同氏は今年9月に開催される予定の国際海外見本市において、政府当局は国内有名大企業30社を招いて巨大バイヤー集団を結成し、大会に出展する海外サプライヤー企業から製品や原材料を調達する計画を示した。4月25日現在、宝山鋼鉄や中国工芸集団など20社がすでにバイヤー集団に参加するという。大会に出展する海外サプライヤー企業から、これらバイヤー集団が約100億ドルの製品や原材料などを調達する予定だ。「2006年中国(上海)国際海外見本市」では、世界各国から約206社(世界500強のうち35社)の調達企業(バイヤー)とおよそ8000社の供給企業(サプライヤー)が参加した。
また、高副部長は今後、中国貿易黒字が短期間内に縮小できないことを示した。2006年中国の貿易黒字は約2000億米ドル(約23兆8000億円)に達した。2007年第1四半期の貿易黒字は約464億米ドル(約5兆5216億円)で、前年同期比で231億米ドル(約2兆7489億円)増となった。これについて、高副部長は、「構造的要因が多く、短い時間内では解決できない」とし、「将来の何年間に、中国は依然として巨額な貿易黒字を生み出していくだろう」と述べた。
高副部長によると、中国商務部は1600種の製品の輸入制限を取り消し、大型展示会の開催回数を増やすなど、輸入を拡大するため一連の措置をとり、将来「中国(広州)輸出入商品交易会」の輸入品展示ブースや「国際仕入大会」に参加する中国バイヤー企業は中国の不均衡な貿易収支を解消する窓口になるという。
現在、中国政府の歳入は、GDPにおける割合が比較的増大したが、その備蓄高は少ない。それは種々の政策に予算が必要だからだ。中国の備蓄高は現在、企業と民間貯金が同程度で、企業が40%、民間貯金が40%、政府が10%程度。企業は以前20%程度であったが、これは中国の消費体力がどこにあるのかを示しており、企業は収益が比較的好調であるだけでなく、国営企業からその資産が移管された経緯と背景もある。今回代表団が提示した「中国巨額バイヤー集団」は、この体力を生かして、国際貿易摩擦を少しでも解消し、各国政府の「恨みツラミ」をガス抜きするのがねらいとみられる。
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