【大紀元日本5月1日】中国外交部の●○(ディー・チュアン)部長補佐が4月初旬に突如スーダンを訪問、ハルツーム政権に国連平和維持軍(PKF)の派遣受け入れを説得、スーダン政府は4月16日、ダルフール地区へのPKF部隊受け入れを発表した。ニューヨーク・タイムズ紙は、中共政府のダルフール問題譲歩について、米ハリウッド大物女優のミア・ファローさん(62)と世界的な映画監督スティーブン・スピルバーグ氏の呼びかけにより、北京五輪の外交カードが功を奏したと評した。(●=羽の下に隹)(○=隹の下に凹、下線を取る)
現在、国連児童基金会親善大使を務めているミア・ファローさんは、かつて、「ローズマリーの赤ちゃん」「ナイル殺人事件」などの映画に出演し、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞を含む多くの賞を獲得した。ファローさんは「ザ・ジェノサイド・オリンピック(虐殺五輪)」と題した文章で、北京政府がダルフールの大量虐殺に無関心なことについて公やけに非難し、北京五輪のスポンサー企業と五輪の芸術顧問であるスティーブン・スピルバーグ監督に対して、北京政府がダルフール問題解決に積極的協力させ、圧力をかけるよう呼びかけた。ファローさんは文章の中で、中共は「1つの世界、1つの夢」を2008年五輪の主題にしているが、「我々は中共が悪夢を隠蔽することを決して許してはならない。すなわち、40数万人がダルフールで虐殺され、250万人が難民化していることだ。これらは、中共が支援しているスーダン政権の悪行だ」と非難した。
ファローさんは、「ジョンソン社、コカコーラ社、ジェネラル・エレクトリック(EG)社およびマクドナルド社など五輪スポンサー企業もダルフールでの犯罪を隠蔽している。スピルバーグ監督も同問題を無視し、3月に北京五輪開催に協力して中国に出向した」と非難した。ファローさんはスピルバーグ監督に「ダルフール大量虐殺の背後には中共からの血生くさい資金援助が与えられていることは知っているのか?」と問いた。
ファローさんはさらにスピルバーグ監督に対し、「ナチス・ドイツの宣伝映画を制作して非難された第2のレニ・リーフェンシュタール(Leni Riefenstahl)になるのか」と問い詰め、各テレビ局に対しても、「五輪試合の実況権利の取得に甘んじ、殺人の共犯者になるのか?」と詰問した。ファローさんは、「人々は北京当局に対して圧力をかけ、ダルフールの大量虐殺を制止すべきだ」と呼びかけ、ダルフール危機を転回させなければ、北京五輪の「1つの世界、1つの夢」が、「虐殺五輪」になると強調した。
スピルバーグ監督は、ファローさんの文章が公開されてから4日後に、中共の胡錦濤・総書記に対して、ダルフールの大量虐殺を譴責し、北京側が影響力を発揮し「地元人民の苦痛を終結させる」よう求める手紙を送った。ニューヨーク・タイムズの報道によると、北京当局へ圧力をかけ譲歩させたことに成功した今回の件は、ある敏感な時期に、北京側の弱点に向かって手を打つことによって、長年にわたる外交手段でも解決できない任務を遂行できることが分かったという。
スーダンが毎年輸出する石油の殆どは、北京が買っている。中共国営企業の中国石油天然ガス集団公司(CNPC、シノペック)」は、スーダンの国営石油企業二社の最多株主であり、スーダン政府は輸出した石油の80%所得利益をアラブ民兵組織「武装騎兵隊」の支援に充て、中共から多くの大型兵器を購入しているという。新疆ウィグル自治区の東トルキスタンを牽制するねらいがあるものとみられる。