【大紀元日本4月21日】国際環境保護団体「グリーピース」はこのほど、東南アジアのインジャ原木の大量不法伐採により、熱帯森林資源が破壊されたことについて、中国政府が責任を負うべきだと非難した。
「グリーンピース」は4月17日に、東南アジアのインジャ(学名:Intsia spp)原木森林が破壊されたことに関する報告で、中国はインドネシアおよびパプアニューギニアから大量に不法伐採されたインジャ原木を輸入したことが、現地の熱帯森林の壊滅を加速させたと指摘した。報告によると、インジャ原木は東南アジアおよび太平洋諸島で自生する熱帯硬木で、成長するまでに80年が掛かり、1ヘクタールにつき、1~5本しか成長できない貴重な樹木である。しかし、毎年の過剰伐採により、インジャ原木はマレーシアから消えてしまい、現在はインドネシアおよびパプアニューギニアにしか見つけられないという。「グリーンピース」は、不法伐採を厳しく取締っていないインドネシアおよびパプアニューギニア政府に対して、非難すると同時に不法伐採されたインジャ原木を大量輸入した中国が熱帯雨林の壊滅を助長していると非難した。
中国は世界2位を占める木材製品生産国であり、最大熱帯材木輸入国でもあり、最大のインジャ原木市場である。インジャ原木の材質が硬く、奇麗な模様をしていることから高級木材製品に適しており、中国市場で歓迎されているほか、インジャ原木でできる硬質家具はアジア、ヨーロッパおよび北米市場において高級品とされている。
「グリーンピース」は昨年下半期より、中国の数社の木材輸入業者について調査を行い、インジャ原木が輸出禁止されているインドネシアから、原産国をマレーシアに偽って、インジャ原木を輸入していることが分かり、パプアニューギニアからも同原木の不法輸入を行っているという。米ワシントンに本拠を持つ環境保護団体「フォーリスト・ムーブメント」のクリストン・カンビ氏は、中国企業の周辺国家における不法伐採活動について、「中国は木材製品製造業を大規模に発展させた。原料は主に東南アジアからのものだが、近年はアフリカからの原料が増えている。対中国最大木材輸出国はロシア。また、中国製木材製品の輸入について、ヨーロッパおよび日本は比較的に厳しく検査しており、米国の場合は厳しい検査は行われていない」と指摘した。
「グリーンピース」の報告によると、中国木材輸入業者の大多数はインジャ原木の輸入は違法であることを認めている。しかし、同原木は国際市場において高価格で取引されていることから、彼らはリスクをかけても取引するという。「グリーンピース」は、中国政府はこれら不法輸入行為に対して、対策を講じていないと指摘した。ワシントンにある国際環境保護団体「地球政策研究所」のジェニター・ラーソン氏は「中国政府の環境保護部門の権力が薄く、環境保護機構が少なくて、森林の不法伐採について無関心である。まるで、それは不法伐採が行われている国の問題であり、我々の問題ではないのだと言っているようだ」と非難し、中国政府は輸入材木が不法伐採であるかどうかを検査する機構を設置することが十分にできると指摘した。
「グリーンピース」は材木の伐採が合法的であっても、現在の伐採速度からみると、インジャ原木は35年以内で徹底的に消滅すると警告し、大量の不法伐採はインジャ原木およびその他の原木の絶滅を促すと懸念を示した。
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