中国広州;外資系銀行が大陸上陸、事前調査で外資に軍配

2007/04/17
更新: 2007/04/17

【大紀元日本4月17日】スタンダード・チャータード銀行(中国)有限公司、HSBC銀行(中国)有限公司、シティバンク(中国)有限公司、及び東亜銀行(中国)有限公司の外資系銀行4社が3月29日、第一陣として上海市工商管理局から「企業法人営業許可証」を取得し、今後国内銀行と同様に人民元取り扱い業務を含む各種の金融業務ができることになった。

外資系銀行と国内銀行との間での競争が激化すると予想されている中、広州日報は同市509人の市民に対して、今後外資銀行を利用するか或いは国内銀行を利用するかについて、無作為の電話調査を行なった。

調査結果によると、市民の約40%が「今後外資銀行で預金口座を開設したい」と回答、さらに5%は「預金口座開設や資産運用など含めた外資銀行の全てのサービスや金融商品を利用したい」と答えたという。また、外資銀行への印象について、多くの市民はサービスがきめ細かい、業務処理の効率が高い、資産運用金融デリバティブ商品が豊富であることを挙げた。また国内銀行は「国内における支店の数が多い」面だけで外資銀行より競争優位となった。これから、より多くの外資銀行が中国で企業法人営業許可を獲得し中国でのビジネスを大いに展開していくにつれ、国内銀行との競争が激しくなると予想されている。調査回答者は、競争を勝ち抜くために中国国内の銀行はまず業務処理の効率、お客様への対応や接客態度を改善しなければならないと指摘した。

8割の市民が複数の銀行を同時利用

同調査によると、約2割の回答者が一つの銀行しか利用しない、残りの8割は2つの銀行或いは2つ以上の銀行を同時に利用するという。利用する銀行を選択するとき、何を重視するのかとの質問に対して、半数近い市民は「接客態度がいい事」と答えた。また、「営業支店が多い事」と答えた市民が37・2%で、「安全、安心」と答えた市民は36・4%。さらに、「銀行信用度の高さ」、「業務処理の効率のよさ」と挙げた市民は20%を超えた。

また、外資銀行についてどのぐらい知っているのかを調査で聞いたところ、約75・8%の人が少なくとも一つの外資銀行の名前を挙げることができた。また、外資銀行で最も多く言及されたのは英国系の「HSBC銀行」で、約60%の人がその名前を挙げた。

きめ細かいサービスが外資銀行の最大な魅力

外資銀行について、約30%の人が「サービスのきめ細かさが第一印象」と答え、「信用度が高い」と回答した人は19・6%、「業務処理の効率がいい」と答えた人が11・3%。

外資銀行の最も大きな魅力に関してきめ細かいサービスを提供するというところだと答えた人は35・2%で、逆に国内銀行の最も大きな魅力できめ細かいサービスと回答した人は12・6%しかいない。また、外資銀行の最も魅力的なところは「業務処理の効率が高い」と答えた人は20% を超えた。

家の近くに外資銀行の営業支店があれば利用するのかについて、41・7%の人が利用すると答えた。利用しない、またはまだわからないと答えた人はそれぞれ25%と33.3%。

さらに、広州市内の外資銀行と国内銀行はどちらを好んで利用するのかという質問に対して、約60%の人が両方同時に使いたいと答え、36・7%の人は「慎重に選択して国内銀行しか利用しない可能性が高い」と答え、残り5%の人は全ての業務を外資銀行に任せたいと言った。

外資銀行の金融デリバティブ商品が人気

外資銀行のどのようなサービスを利用したいのかとの質問(複数回答可)に対して、回答者の57・5%は普通預金を使ってみたいと答えた。また、外資銀行のクレジットカードサービスを利用したいと答えた人は32・5%で、定期預金を利用してみたいと答えた人は22・5%。さらに、25%の回答者は外資銀行の資産運用金融デリバティブ商品を使ってみたいと答えた。これは、国内銀行の資産運用商品を使ってみたいと答えた人(13・3%)より倍と高くなる。外資銀行の金融デリバティブ商品が人気の理由については、第一に国内銀行と比べて資本が潤沢で、グローバル・ネットワークを有することと、第二にリスク管理面に強く、資産クォリティが良いことと、第三に外資銀行には豊富なマーケット取引経験を持つ専門家が多くいることにある、と専門家が言う。

また、調査では、なぜ外資銀行を利用しないのかについて、62・9%の人は「外資銀行についてわからないところが多い」を理由として挙げた。また34・5%の人は「国内における営業支店が少ないから、不便だ」と答えた。また、外資銀行を利用するには厳しい条件が有ると挙げた人がいた。

調査において、複数に回答可能で「国内銀行はこれからどの方面で改善しなければならないのか」について聞いたところ、「業務処理の効率を高め、スピーディーになってほしい」、「接客態度を改善してほしい」、「お客さんの待つ時間を短縮すべき」と回答した人はそれぞれ52・2%、47・0%、42・6%。であった。

銀行のサービスにおいて、外資が民族系を上回る優勢をみせているだけに、今後において外資系の銀行が一般庶民の預金を吸収しつづけていくと、国内の直接投資を始め、年率10%近い中国経済の成長率にも確実に影響を及ぼすだろう。