中国には安全に住める建物がない=中国人建築専門家

2007/04/08
更新: 2007/04/08

【大紀元日本4月8日】広東省汕頭(スワトウ)保税区に勤務していた建築シニアエンジニアの夏一凡さんは、4月1日東京・池袋の集会にて講演を行った。集会は2000万人の中国人の共産党離脱を声援するために開かれたもので、夏さんはスピーチの中で、「2千万人の勇士が中国共産党への離脱を表明したことに、支持と敬意を表したい」と述べ、数々の実例をあげ、中国国内での建設プロジェクトをめぐる幹部汚職の内幕を暴露した。夏さんは中国国内で、このような汚職の取締りを求める文書を公表したため、迫害を受けていた。その後、夏さんは日本に逃れ日本政府に難民申請したという。

夏さんの発言概要は次のとおり。

建設プロジェクトは汚職幹部のドル箱

私が知る限り、世界において、一般の建設プロジェクト仲介手数料は直接投資額の3%以下、1つのプロジェクトには1回限りに支払われる。しかし、中国では複数回に支払われる上、その総額は10%が最低額で、20%に達するのも珍しくない。その莫大な金を得るために、政権の各級の幹部の長が工事の主導権を握ろうとする。このやり方は中国では中央から地方までに日常茶飯事である。幹部たちの貪欲により、巨額の建設資金が消え、実際の建設費用は50%も残されればよいほうだ。

ずさんな建築品質

十年前から、中国の建築プロジェクトの品質は「崩壊」の状況に瀕した。完成したばかりの多くの建設工事に、深刻な品質問題が浮き彫りに出た。高速道路を支えるコンクリートの柱が沈下したり、路面がひどくひび割れたり、家屋が倒壊したり、橋の土台が折れたりなどの問題が頻発している。1989年、広東省の東莞市で、3階建てのテナントビルが丸ごと倒壊した。事故直後、現地の幹部はすぐに現場を封鎖、記者と関係者以外の人の立ち入りを厳禁した。一晩で現場が綺麗に片付けられ、死亡者数も公表されなかった。もっと悲しいのは、このような処理方法は、いまでは中共政権が同様の事故を処理する常套手段となっている。

北京市の「西客駅」ももっとも典型的な「おから工事」(工事の建築品質がまるで豆腐のおからのようだと形容した造語、1990年代初めに、当時の朱鎔基首相がずさんな建築プロジェクトを批判する際に使われたのが初めで、いまでは常用されている)。この駅の建設は中共政権の重要プロジェクトで、約300億人民元(約5200億円)が投じられた。駅構内では水漏れや、ガス漏れが続発、壁がひび割れたり、天井などが落ちたりしている。素人目でも確かめればわかるほどである。

国家を挙げて進めてきた長江のダム建設「三峡建設」について、説明する。始めから、黄万里氏を中心に国内の科学者は設計理論の間違いや、自然生態環境への深刻な破壊などを指摘していた。中共政権はこのような反対の声を完全に封じ、建設を始めた。後に、使われていたコンクリートの品質が粗悪のため、ダムに大きなひび割れが発生した。

私のような専門家でも、このようなたくさんの「おから工事」はいつ、どこで倒壊するのかを察知できない。

自分はシニアエンジニアとして、技術最高責任者の立場から、一人の中国人としての良識を捨てきれずに、政府にある文書を提出した。その中で、幹部の汚職を取り締まり、崩壊の局面に立たされている建築の品質問題を解決、このような「おから工事」を一刻も早く封じるように懇願した。しかし、この文書が私に災いをもたらした。迫害の対象となった私は45歳のときに、妻子を国内に残し、国外脱出の途についた。

今日、私がこの集会に参加し、自分の政治論点を公に表明する。中共政権はいま、政権の異見者をはじめ、キリスト教や法輪功などの信仰・信念を持つ人々、土地問題で抗争する農民、強制の家屋移転に抵抗する市民、働き口を求める産業労働者などを弾圧し続けている。このよう中共政権はむしろ中国国民の敵と化している。共産党への離脱を表明する運動の拡大は中国人の心の叫びを反映している。根底からこの悪党を倒さない限り、中国の前進も未来もない、もちろん、アジアと世界の平和もない。

2千万人が中国共産党への離脱を宣言したことに希望を感じている。これからは私自身もこの時代の流れに合流し、脱党運動を推進していく構えでいる。中国で真の自由と民主が実現される日までに奮闘していこう。