【大紀元日本3月27日】仏大統領選挙候補者らはこのほど、中国政府はスーダンのダルフール危機解決に対する努力が不足と非難し、仏人選手らへ2008年北京五輪の開催をボイコットするよう呼びかけた。これに対して、中国側は早速ダルフール危機における立場を自ら弁護した。評論家は、中国はスーダン政府への影響力は十分あるが、北京当局は現時点では的確な実際行動を取る形跡もないと分析している。VOAが伝えた。
*北京当局がダルフール危機での作用が不十分
仏大統領のフランソワ・バイル候補およびセゴレーヌ・ロワイヤル候補は3月20日、パリで開催されたダルフール危機に関する会議で、仏の五輪出場選手らに対し、ダルフールの流血衝突を制止するために、北京五輪をボイコットし、中国政府がスーダン政府へ圧力をかけさせるよう呼びかけた。バイル候補およびロワイヤル候補は仏大統領選挙の中では2位と3位を占めている。
中道派フランス民主連合のバイル候補は、北京が国連安保理でスーダンへの制裁を阻止し続けるのであれば、フランスは2008年北京五輪をボイコットすると表明した。社会党(PS)のロワイヤル候補は、中国がスーダンに対する制裁を反対するなら、今が中国へ圧力をかける時期であると主張した。
*中国外交部、北京政策を弁解
中国外交部スポークスマン劉建超氏は22日に、2人の仏大統領候補に対して、中国のダルフール問題における立場を認識していないと反論した。劉氏は、中国はスーダン政府に対して、ダルフール地区で国連平和維持軍の配置に同意するよう促しているとし、スーダンがすべての関係者と平等協議を行い、最終的な政治解決法案を提出するように進めていると弁護した。しかし、劉氏は、北京側は国連平和維持軍の配置はハルツーム政府の承認が必要とした。
*評論家:北京側の具体的な行動は一切ない
米平和研究所アフリカ問題専門家のシボアート博士は取材に対して、中国政府は確かにダルフール危機について、スーダン政府と交流したとし、胡錦濤総書記は最後のスーダン訪問においても、オマル・アル=バシール大統領に対して国連の解決策を受け入れ、ダルフール危機の解決を促した。しかし、現在に至っても、中国側は具体的な行動は一切取らなかったことが外界に失望させたと分析した。
シボアート博士は「中国はスーダンの石油の最大投資家であるため、中国はスーダンにおける財政上の実力があることから、スーダンが国連との協力を推し進めることができるはず。しかし、中国政府は強硬な外交手段を取ろうとする形跡はまったくなかった」と語った。
*中国の対アフリカ投資、政治衝突と人権侵害を無視
評論家は、中国がアフリカの豊富な自然資源への関与、開発、取得ができるとは、中国はアフリカ国家の内政を干渉しないことを堅持したからだと分析した。しかし、まったく同じ理由で、中国は要するにアフリカの政治衝突と人権侵害を無視していると非難されている。
前出のシボアート博士は、アフリカとの経済協力を拡大するために、中国はアフリカ国家との会談の中で、内政干渉しない含みの意思を示していると分析した。博士は、アフリカ国家政府にとっての主権とは、外界の圧力下で自らの意に背くことを行うことであるという。博士は、中国がスーダン政府に対して圧力をかければ、事態の進展に大きく影響を与えるとの見解を示した。
*中国はスーダンに対して、大きい影響力がある
シボアート博士は「多くの人はスーダンに対する制裁措置に賛成した。中国も賛成すれば、中国を非難した人たちに応えることになるし、スーダン政府に対しても確実な影響を与えるであろう」と分析した。
仏大統領候補たちはダルフール危機および北京五輪と連結したことに対して、シボアート博士はスポーツは非政治的であるにも拘わらず、これまでに幾度も政治に巻き込まれたことは遺憾であると示した一方、事態に対して意外ではないとした。特に選挙期間、候補者たちは五輪ボイコットで民衆の関心を引き寄せたいからだとの見解を示した。