【大紀元日本3月9日】米国務省が7日に公表した年度人権報告は、中国の人権状況の悪化を批判しているほか、中国をネット封鎖国家のトップとして挙げている。
7日付ワシントンポストの報道によると、今年の人権報告の重点は、世界各地の政治的自由の弾圧状況のほか、ネット制限やNGO活動の妨害であったという。
民主、世界の人権を担当するポーラ・ドブリャンスキー米国務次官は、「ネット上で自分の観点を表明するだけで監禁される国家がいまだに多くある」「極権政権が、個人に力を与えるネットの能力を脅かすとともに、ネットの‘変える力’を阻害している」と語った。
バリー F. ローウェンクロン国務次官補によると、2006年は「人権後退の1年」であり、意外にも、より多くの国がNGOや大衆メディアを弾圧していたという。
ローウェンクロン国務次官補は、「中国の人権は、既に‘多くの面で悪化’しており、法律、裁判所の改革へのコミットメントを実行していないほか、‘労働教育体制’がなおも継続している。農村で発生している何千件ものデモ事件は人民が改革を求めていることの表れであるが、国家は依然としてこれを担う意識に欠けている」として、中国をネット制限国のトップに位置づけている。
今回の報告は1800ページに及び、電子媒体で配信され、196の国家における人権面での違反、改善状況を詳細に明らかにしている。
7日のIDGニュースの報道によると、報告の指摘として、ネット人口の増加により、中共政府は、2006年にネット統制、監視を強化する手段を講じたという。
報告は、中国においては、「政府がネット利用の拡大を引き続き奨励すると同時に、ネット利用を統制する手段を講じており、内容、情報の制限を行うとともに、これに違反した者を処罰している」としている。中共が実施している方法としては、ネット上のユーザ登録の厳格化、内容面での政府の統制、ネット上の違法行為に係る広範な定義が含まれている。
中国ネット情報センター(China Internet Network Information Center)によると、中国のネット人口は1・4億人近い。米国務省によると、中共政府は数万人を雇ってネットを監視しているという。
報告では、「当局は、更に複雑な技術を使用し、サイト全体を封鎖するのではなく、特定の内容へのアクセスを選択的に妨害している。こうした技術は、敏感な内容を含んだeメールの妨害にも利用されている」と指摘している。
中共政府はまた、国内企業や国際的企業の協力を得て、ネット情報のパイプを制限している。報告では「百度のような中国の検索エンジン、及び中国で運営しているヤフー、MSN、グーグル等の検索エンジンは、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)、ラジオ・フリー・アジア(RFA)、及び人権に関る検索結果をフィルタリングしている」という。