【大紀元日本2月24日】ここ数年来、山東省の非常勤教師数千人は、地方官員の汚職腐敗を訴えたために迫害に遭い、中国の非常勤教師の境遇問題が浮き彫りにされた。中国の教育事業では非常勤教師が大きな貢献を果たしたが、中国の現行制度の下で、非常勤教師は不幸な運命を背負わされる。
長年の陳情
山東省の聊城と荷沢の二都市では、非常勤教師2000人余りが、「地方の官僚が関連した政策に沿って非常勤教師の問題を解決していない」と数年来陳情を行っている。
非常勤教師らの中には数十年教鞭を執っているものもいるが昇給もなく、その上いかなる福利厚生保険もつけられていない。また、教師らは、地方官員らが非常勤教師を帳簿上で公立学校の教師に転載し、予算を着服していると告発した。これらの非常勤教師が長年の陳情と申し立てをしているが、依然として問題の解決を得ていないだけではなく、地方官員の報復を受けている。
中国教育体系下の特殊な集団
非常勤教師は、中国教育体系の中では一種特殊な集団だ。国家の教育編制には組み込まれておらず、地元住民がその給与を出資している。教育経費の不足のために、多くの農村の小学校は半官半民の教育事業に属している。つまり、政府は先ず常勤教師を派遣し、あとの不足分は農民自ら補うことにより、大量の非常勤教師が生じてきた。
非常勤教師は収入が保障されていず、放課後、田んぼでの農作業をする時もある。そのため、「裸足の教師」とも呼ばれている。ある辺境地方では、農村の教育事業は、全て非常勤教師が引き受けている。1997年、中国国務院は年々非常勤教師を減らすことを決定した。
中国の教育法によると、非常勤教師は、公立学校の常勤教師と同様に、同額の報酬が得られることになっている。その他、中国国務院は毎年、各地区で非常勤教師が正式な常勤教師に昇格できる枠を規定したが、しかし、その教育法規は多くの地区で、「有名無実」になっているのが実情だ。
不遇な非常勤教師
山東省の聊城と荷沢両市のように、非常勤教師・数千名の直面している問題は、普遍的に中国の多くの所で存在しており、教師たちの立場は非常に苦しい。日本の「中国問題研究所」、楊中美・研究員は、「中国現行の政治体制の下では、官員の腐敗行為は止まることを知らず、中国政府が定めた教育政策も定着しないだろう。この二つの要因により、非常勤教師は不幸な運命を辿るだろう」と指摘した。さらに、「中国の官僚はまず数が多すぎる。そのため行政費用が膨大に成り過ぎ、横領される公金は地方財政から抜き取られるため、非常勤教師の報酬が元々いくら少なくても、それが十分に支払われることがない。中国の指導者が唱える教育改革の精神はまったく履行されていない。遵法精神がまずないのだ」とバッサリと斬り捨てた。
非常勤教師は存在しない?
2002年、中国政府は非常勤教師の制度を取り消すことを宣言した。中国の多くの地域では、非常勤教師が「代行教師」に取って代わられるようになる。楊氏は、「教育資源が不足しているのだから、一刀両断に非常勤教師を取り消すのは賢明でない。公営と民営が共に平行して運営を行うべきだ。国家予算の中で教育費を占める割合は小さくて、そのために大量に民間の資金が導入されている。非常勤教師を否定する基本方針の策定ではなく、多元化の発展を促進するべきだ」との見解を示した。
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