【大紀元日本2月8日】江沢民と胡錦濤の狭間で揺れ、自己の利益追求している中国共産(中共)党の曽慶紅・国家副主席は最近、再び自らを欺き、誹謗中傷した前任ボスの江沢民へ低姿勢で接近したという。これまでに、胡錦濤に対して、総書記の座を譲るよう求めた高層部の権力闘争はすでに国内外の強い関心を示している。
胡・曽両者間の直接的および間接的衝突は日増しに激しくなったとみられる。曾・副主席は胡総書記がアフリカ訪問中に、省部級主要指導幹部らを招集し、「江沢民文選(以下、江選)」の勉強会を開き、胡総書記に対して挑発したという。さらに、胡総書記がアフリカ訪問を出発前に、「江八点(*1)」発表してからの12年周年の記念行事もお粗末だった。
新華社によると、2月2日に中国各省市と大軍区の主要指導者らは中央党校へ集結し、6日間の「江選」研究討論班に参加した。参加者はアフリカ訪問中の胡総書記および療養中の黄菊氏を除き、7人の政治局常任委員が全員出席したという。曾副主席が始業式を務め、談話を行い、全党は「江選」の学習を強調し、「3つの代表(*2)」を徹底的に実行し、勉強会の重要意義に対してしっかりと理解し、十七大のための「良好な環境」を作ると強調した。また、李長春氏は談話の中で、今回の勉強会の内容を称え、マルクス主義を大々的に語ったが、胡総書記が提唱する協和の社会について、さらっと触れただけだった。勉強会の開催日は、胡総書記がアフリカへ出発して僅か2~3日後であるという。
香港「動向」誌の最新号では、曽副主席、李長春氏、周永康氏は異なる場所で同時に胡・温両氏に対して戦いを挑んだと報じた。曽副主席は3つの代表思想は、党内の妨げと邪魔を招いているとし、その妨げが胡錦濤であることを暗示する。また、李長春氏は胡・温両氏は3つの代表思想、十六大議決および江沢民の第三代業績を否定していると指摘した。一方、政治的地位がぐら付いている周永康氏も曽・李両氏に追随し、国務院会議で胡総書記に対して挑発したという。
情報筋によると、今回は中国各省、自治区、直轄市、中央および国家機関各部門、軍隊各大部門の主要責任者ら約180人が6日間の「江選」研究討論班に参加したという。香港メディアによると、勉強会の開催期間は、ちょうど広東省の人民代表会議と政治協商会議(以下、両会)が繰り広げられている時期にも拘わらず、同省のトップ指導者2人の張徳江・省委書記と黄華華・省長は両会の開幕と閉幕時に、何度も北京と会場へとんぼ返りしたという。また、張・黄両氏は満面笑顔で長時間にわたり言葉を交わした「異常」な現象は、周辺の多くの委員が取りざたしていたという。
政治評論家らは、中共十七大が近づいている時に、如何なる政治活動にも意向をほのめかす意味があり、十七大とも必ず関係していると分析している。「江選」を学習するとは、江沢民・前総書記が謳える「3つの代表」思想を読み直し、当人の政治地位を維持する目的に到達することである。しかし、「科学発展」および「和諧社会(調和社会)」であるマルクス主義の最新成果の前では、「3つの代表」は5年前の中共十六大の時と同様な指導力は、もはやないとみられる。
台湾聯合報によると、対台湾政策を主管する国台弁はこれまでと同様な関連記念活動や座談会の中から、消えてしまったという。江沢民の時代は明らかに過去のものとなり、「江八点」は実際、中共の対台湾の歴史の中へと消え、代わりに胡錦濤の「胡四点」が現れてきた。一方、大陸側のメディアの報道ではもっと現実的で、江沢民の「江八点」はすでに中共が対台湾政策の歴史記録の一部としかみなしていないという。
一方、全国の共産党を離脱する波が次々と押し寄せる中で、民間の人権擁護も日々成熟した。中国民間および中共内部の一部見識のある人士が民主および政治体制の改革を論じるようになった。
「人民日報」の周瑞金・前副編集長は、中共は憲法範囲内で活動し、政務・事務から脱出し、政治団体になるべきであり、行政団体になるものではないと指摘した。
周氏は、中共に対して4つの提案をした。①行政管理体制改革、責任を明確し、聞く耳を持つ制度を建築すべきだ②党内民主を建設し、下から上への選挙制度を構築すべきだ③人大代表大会は真正の会議にし、専門職代表を増加し、退職幹部比例を削減すべき④真正の憲政民主国家になるように、村から省まで直接選挙を徐々に広げるべきだと意見を示した。
また、中国大陸の現時点の状況を5つの特徴に分けている。①都市と地方、東部と西部の格差が拡大②際立つ社会保障問題③政府の政策が不透明で、情報が不十分④腐敗現象は社会正義を損なわせた⑤道徳誠実と信用の低下からもたらされた社会風紀の悪化。周氏は、これらの問題を解決するためには、更なる改革が必要であると強調した。
(記者・薛飛)
(*1)江八点…1995年前江沢民主席が中共中央台弁、国務院弁等部門が開催した春のお茶会で中共当局が台湾問題を解決し、国家統一の政治方針を実現し、現段階の両岸関係、祖国平和統一過程における重大問題に対して8項目の主張と見方を提出したことをいう。
(*2)3つの代表…2006年末、曾慶紅・副主席が中央党校党委拡大会議に出席した際に提出した3つの堅持性のことを指す。すなわち、①正確な思想理論指導を堅持②正確な方針、政策手引きを堅持③党十六大に通過した議決と政策を堅持することである。
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