【大紀元日本2月8日】昨年の9月より、中国のネット利用者の間で「給与明細の公開」が流行し出した。これまでに「男性の財布、女性の年齢」は職場での2大秘密とされたが、ネットサイトで公表されるようになった。評論家らは、中国のネット利用者の「給与明細の公開」の背景に、中国の拡大する収入格差に民衆が敏感になっているためと分析している。
中国青年報はこのほど、中国で最も話題になっていることが「サイトで給与明細を公開」することであると報じた。この種のサイトは一部のホームページと論壇が登録されており、その中では「企業会長の女性秘書の給与明細表」から「修士の学位を取得し卒業して6年目で、妻になじられるサラリーマンの給与明細表」まであらゆる条件のものが数え切れないほど多く公開されている。アクセス数と人気ぶりは相当なもの。国営企業勤務の給与明細表、教育関係者の給与明細表、卒業生の給与明細表、公務員の給与明細表などが並んでおり、「給与明細の公開」サイトは白熱し勢いが止まらない様子である。
「あなたの給料はどれくらいか」とはっきり相手に聞くのは、現実の生活の中では聞きにくいが、何故、多くのサイト利用者が自らの給与明細を公開するのだろうか。その背景にはどんな社会の心理が潜んでいるのか。
評論家は、ネット上で給与明細を公開することは、拡大する収入格差に民衆の焦慮であると分析している。生活負担の加重も原因になっている。教育、医療、住宅などの費用は、民衆の消費総支出を占める割合が絶えず増加しているためだ。特に低収入の民衆にとって、生活負担に重圧がかかれば掛かるほど、収入に対する関心も高くなる…「給与明細の公開」がまさにこの種の関心の高まりから直接表現されたものとみられる。
同時に、評論家は給与明細を公開することで、重い負担に対する不満を表し、「塩や砂糖の日常生活用品のすべてが上がっているのに、給料だけが上がらない」に対する抗議でもあり、少ない給料での生活難を訴えていると分析している。
一方、アナリストらは、給与明細の公開とは収入の過大な格差から引き起こされた心理的焦慮の現れと指摘した。中国大陸の貧富の格差はすでに深刻な社会問題になっており、特に都市と地方、業種間における給与格差がもっとも顕著に現れていると分析している。その中でも、市場を独占する業種においてのみ従業員の収入が特別に高いことから、人々に羨望と憤慨の複雑な心情をもたらすと指摘し、このような背景の下、給与明細の公開サイトが大人気となった。
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