【大紀元日本1月8日】インタネット統制で言論の自由を制限する中国では、「民主」「法輪功」「ダライ・ラマ」「天安門事件」などの政治的敏感な用語で検索すると、エンジンのフィルターリングに掛かってしまう。最近更に、一部の検索エンジンで「中国政府」で検索する場合、「少し敏感な文字であるため、ニュース検索サービスのみ提供する」の結果が出てくる。専門家は、中国政府はインターネット統制の範囲を広げすぎたと指摘している。
自由アジア放送(RFA)によると、中国電信グループ傘下の「番号百事通114(以下、114)」ウェブサイトで、「中華人民共和国中央人民政府」の文字を検索すると、「少し敏感な文字であるため、ニュース検索サービスのみ提供する」の結果が出てくる。「中華人民共和国中央人民政府」の他、「全国人民代表大会」「民主」なども敏感文字になっている。中国のインターネット使用者によると、一部の中国ウェブサイトで「毛沢東」を検索すると、「不法情報」との結果が出てくるという。
RFAによると、北京のインターネット利用者の周国強さんは、自らの泣くに泣けず笑うに笑えない経験を語った。周さんはネットで、毛沢東、江沢民、朱鎔基、温家宝を検索した時に、すべてが「不法情報」との結果が現れたという。多くのウェブサイトも同様の結果が出たとし、一部のチャット用ウェブサイトでは、これらの言葉すら入力できないと嘆いた。
周さんはこれまでに、中国のウェブサイトは時々政府当局関係部門から、フィルターに掛けられた後の検索文字リストを受け取るという。リストは「検索可能」と「検索不可能」に分類されており、「検索不可能」の場合は、検索して出てくる結果がすべて「不法情報」となっている。周さんは中国国内では一時、「釣魚島」の検索の件で、不法情報としか出てこなかったことが発端で、ネット利用者たちとウェブサイト側のトラブルが大きくなったという。最終的に、ウェブサイト側が「技術上のトラブル」の説明で収まったという。
一方、中国電信のお客様サービスセンターの匿名職員は、RFAの電話取材に対して、インターネットのことは分からないが、番号案内の114番でも政府部門の電話番号は公開しないことを明らかにした。
周さんは、中国政府は敏感文字をフィルターにかけることは、ネット利用者が情報の検索に影響を受けるだけではなく、インターネットを通じて情報を送信する際も制約を受けると指摘した。場合によって、敏感文字が入っている文章が削除されてしまう可能性もあるという。
これらの制約があっても、インターネット利用者たちは見事に突破している。周さんによると、検索したい文字行にスペースを1つ入れるか、または別の代用文字に変えれば検索ができるという。例えば、「江沢民」を「江」に変え、「共産党」を「偉光正」に変えるなどにすれば、検索ができるという。周さんは、今は沢山の訳の分からない言葉が出ているが、それも仕方が無く、当局がそうさせたからだと指摘した。
米国在住の中国時事評論家・方覚氏は、「中国政府」が敏感文字になった原因は、①中国政府の政策運行の不透明化②中国政府はメディアに対する統制範囲を広げ過ぎたと指摘している。方氏は、中国のインターネット統制は、人々の思考が民主、自由、人権問題などへ誘導する文字を統制するものだったが、今では政治と無関係の言葉まで制御するようになったとし、中国政府は大々的にインターネット統制制度を改めることが目下の急務であるとの見解を示した。