【大紀元日本1月3日】中国政府はこのほど、国防白書「2006年中国の国防」を発表し、2006年度の中国軍事費が2838億2900万人民元(約4兆3260億円)で、前年度比363億3300万元(約5537億7229万円)増と明らかし、海空軍事力の強化を含めて軍事力の現代化を更に推進し、中国の安全保障及び台湾独立活動を防ぐと説明した。白書は、中共当局が1998年から5度目の発表で2年ぶりとなる。
中国国務院新聞弁公室は12月29日に新華ネットを通して同国防白書を発表した。2004年および2005年の国防費はそれぞれ、2200億100万元(約3兆3531億6262万円)と、2474億9600万元(約3兆7722億2984万円)に対して、2006年度の国防費はそれぞれに比べて15・31%と12・50%増と発表した。
台湾問題は最終的に日米同盟に取り入れられるとみている中共側は、国境における衝突、歴史問題の論争および台湾独立の脅威に直面しているとし、海空軍事力強化を明らかにした。白書によると、陸軍関連の軍事力は1・5%減少し、海軍、空軍および第二砲団(中国弾道ミサイルおよび核関連軍団)の軍事力は3・8%増加したという。
これに対して、米ペンタゴン軍事専門家は、軍事設備に費やした費用を含めれば、実際の増加幅は中共側が提示した数字の2倍以上に上るとの見解を示した。また、同白書から、中共は台湾独立を阻止、米国の台湾海峡への介入を防止することを主要なターゲットにしているという。
白書の第9章「国防経費」では、中国政府は国防法および予備演算法に沿って、国防建設および経済建設協力発展の方針に基づいて、国防需要と国民健全発展水準に適した国防費の数量及び方向を合理的に定めていると示している。
白書によると、中国国防費の主な支出項目は、人員生活費、訓練維持費および装備費等をあげており、人員生活費とは、軍人幹部、内勤幹部、兵士と雇員の給料、保険、食費、制服、福祉などの費用に当てられているという。また、訓練維持費とは部隊訓練、学校教育、施設工事建設と日常消耗品の支出であり、装備費とは、武器装備の研究、実験、買い入れ、メンテナンス、輸送および貯蔵などであるという。中国国防費の保障範囲は、民兵、予備部隊を含む現役部隊、退職した軍人の生活費、軍人子女教育、国家経済建設等方面の社会への支出をいう。
白書は、中国国防費総額、軍人1人当たりの年間費用は特に先進国に比べ低水準であると示した。2005年の年度分を例として、米国の国防費の6・19%しか占めておらず、日本の67・52%であるという。中国の国防軍人1人当たりの年間費用は10万7607元(約126万円)であり、米国の3・74%、日本の7・07%しかないという。
白書によると、中共は国防費に対して厳しい財政割当制度が実施されており、軍隊は国家が確定した国防発展戦略、軍隊建設目標および年度軍事任務に従い、予算編成項目を展開するとし、各級予算部門は専門的に予算対照および経費需要を算出した数字を逐一に上部へ報告する制度になっている。さらに、国家および軍隊の審査計測機構は、国防費用予算および執行状況に対して厳しい審査計測監督を行うという。
新華ネットを通じて対外発表した2006年度の中国国防白書は、全10章約2万6000文字で、序文、安全情勢、国防政策、国防領導管理体制、人民解放軍、人民武装警察部隊、国防動員および予備力、国境警備、国防科学技術工業、国防経費、国際安全協力などからなる。