上海東方医院:人工心臓移植、9人中7人が死亡

2006/12/29
更新: 2006/12/29

【大紀元日本12月29日】上海同済大学付属東方医院(以下、上海東方医院)は中国で最多の人工心臓移植手術件数を誇るが、調べによると、使用された人工心臓は中国国家食品薬品監督管理局の許可を受けておらず、移植後の死亡率が非常に高いことがこのほど分かった。実際、2001年より現在までに行われた9件の移植手術の内、すでに7人が死亡し、1人が植物人間になっているという。

南方週報によると、2001年8月に患者の王利華さんは東方医院でドイツのMedos社製の人工心臓移植が行われ、、手術1ヶ月後に脳梗塞と大量出血が併発し危篤状態に陥った。王さんの妻が病院側へ強く訴えた末、人工心臓は取り外されたが、王さんはそれから植物人間になったという。

実際、2004年4月に東方医院で、ドイツBerlin Heart社製の人工心臓移植手術を行った13歳の周宜清少年は、手術後15ヶ月で死亡している。王さんの妻はこれまでの出来事から、東方医院はドイツから未許可の人工心臓を密輸し、院内の患者を実験台にしているのではないかと疑い始めたという。

報道によると、ドイツMedos社製の人工心臓は2004年12月にようやく中国国家食品薬品監督管理局の正式許可が下りたとし、周少年に移植されたBerlin Heart社の人工心臓製品の使用許可は未だに下りていないという。

元東方医院心臓内科の唐志雄医師は、自分が数年間にわたり治療を行った心臓病患者・朱シンさんから、東方病院側が朱さんに無料の心臓移植を勧めたとの相談を受けたが、心臓機能2級の朱さんに対して、心臓移植する必要がないと回答したという。朱さんは今年の11月末に無料心臓移植を断ってから、今でも毎日1時間連続で自転車に乗り、荷物の運搬を行っており、不都合はないという。

報道によると、唐医師は2004年11月に、2人の急診患者に対して心臓移植手術を阻止したため、突然に医師の仕事から処方係へ人事異動され、昨年3月に、唐医師はさらに停職されたという。

唐医師は昨年より、上海各部門に対して東方医院が未許可の臨床実験および医療腐敗問題を提起し続けたが、当局の回答は一切なかったという。その数ヵ月後、唐医師は買春、勝手に公印を製作、詐欺等の罪で1ヶ月間刑事拘留されたという。唐医師は、「真相を暴露するための代償は分かっている。しかし、医師は患者に対して責任をもたなけれならない」と主張した。

一方、匿名希望の東方医院心臓外科医は、何人もの患者が同医院の無料心臓移植実験の中で死亡していると示唆した。病院側は死者の家族に対して、不動産物件または就職の便宜を与えたという。一部の患者は鎮江市、徐州市などの地方病院へ心臓移植手術のために連れて行かれたが、二度と戻ってこなかったという。

報道によると、当局に対して何度もの告発の後、上海浦東新区反腐敗局の副局長から唐医師の妻に対して、「唐医師は良い人だ。われわれは東方医院の劉中民院長に関する証拠を掌握しており、調査を進めている」と説明したという。