独メルケル首相、与党党首に再任

2006/11/30
更新: 2006/11/30

【大紀元日本11月30日】首相就任して1年が経った独メルケル首相は27日、ドイツ東部の大都市ドレスデンで開催された中道右派キリスト教民主同盟CDU)代表大会で93%の高得票によって、CDU党首の再任が決まった。メルケル首相の党内地位は揺るぎのないものとなった。中央社が伝えた。

ドイツ市民は政府が行った改革が不十分であるとして、不満の感情がエスカレートしている中で、与党CDUは連邦議会との連立政権による政治安定化を求めるために、往々にして自由市場経済の路線をやめ、左派の社会福祉政策に同調することがしばしばあったとみられていることから、今回のCDU代表大会は各界からの注目が集まっているという。

これに対して、メルケル首相は93%の圧倒的な支持率で、CDUの党首に再任した。今回の得票率は2年前の88%より上回ったという。2000年4月以降、東ドイツ出身のメルケル首相はすでに6年と半年、CDUの党首を務めている。

一方、党首選挙のライバルとされ、首相後継者候補とみられる人物は、ヘッセン州のローランド・コッホ(Roland Koch)州党首、ニーダーザクセン州のクリスティアン・ヴルフ(Christian Wulff)州首相、ノルトラインのユールゲン・リュトガース(Juergen Ruettgers)州首相らの得票率は7割を下回ったという結果であった。

ドイツ政治評論家のシエンシン氏は、政権を執って1年が経ったCDUは未だに社会正義と自由市場経済の両極間で揺れ動いているとし、市民に明白な回答を出せないままであると指摘した。しかし、メルケル首相の党内地位は今回の代表大会で揺るぎがたいものになったことが確認できたとの意見を示した。