人権侵害問題改善せず、国連人権理事会を非難=国連監視団

2006/11/29
更新: 2006/11/29

【大紀元日本11月29日】非政府組織の国連監視団はこのほど、国連人権理事会に対して、国連加盟各国の人権状況や国際社会の人権状況を改善し、深刻かつ組織的な人権侵害等に対する対処はしっかりしておらず、責務と機能を果たしていないと非難した。

中央社によると、今年6月に、これまでに実質的に機能しなかった国連人権委員会に代わり新設された国連人権理事会は、半年が経過した現在でも、活動の成果は国際社会の期待に応えていないとの見方が多く現れた。国連監視団は同理事会に対して①政治的に利用されないことについてすでに失敗②深刻な人権侵害の対処は結果として失敗③効率良いシステムの構築について、改善が必要④各国間の新しい対話および協力体制の構築について思わしい結果が得られていない⑤国連憲章が掲げている民主価値の提唱について、成果をあげていない―などの5項目に分けて評価した。

国連監視団はさらにアナン事務総長に同人権理事会に介入し、スーダン・ダルフール地区、イラクおよび中国などの人権問題に即時に対処するために理事会を先導するよう促した。

国連監視団のニューア執行秘書は、新たに設立した人権理事会には劣悪な人権状況にある理事国が多いため、以前の人権委員会とは変わらないとした。同氏は、人権理事会はダルフール地区、イラク、中国、ロシア等などで起きている人権侵害問題に対して手をこまねいていると指摘した。

ニューア執行秘書はまた、47の理事国からなる国連人権理事会の中で、人権侵害が起きている複数の理事国は理事会を主導してしまうほど、民主国家より組織的で積極的であると指摘し、人権を支持する理事国は理事会の主導権を奪回するためにさらなる努力を持って協力しあうべきであると強調した。