【大紀元日本11月28日】中国国家審計署(日本の会計検査院に相当)はこのほど、全国29の省や市、自治区の社会保健基金を監察した結果、昨年末までに、71億元(約994億円)が不正流用されたことが判明した。報道によると、この数字は、労働・社会保障部門の幹部が明らかにした内容より100億元少ないという。
香港紙「太陽報」の報道によると、中国国家審計署が監査した結果、全国で2000年からの使途不明金が48億元(672億円)に達し、そのうち、企業への貸付は17億元(約238億円)、融資と投資は5億元(70億円)を占めている。また、審計署は特に河南省、寧夏省、貴州市の三つの地区を取り上げ批判した。寧夏省石嘴山市医療保健センターの主任兼財務科長は、3千2百万元(約4億5千万円)を親戚の名義に移し変えたという。
審計署は、各政府機関に対し、期限付きで会計監察を行い、不正を見つけ出し、関係者の責任を厳しく追及することを命じ、来年の第1四半期までに、調査とその報告書を審計署に提出することを義務付けた。
報道では、近年中国各地で社会保健基金の不正流用問題は深刻と指摘、雲南省を実例に挙げ、最近では立て続けに3件の不正流用案件が発覚したという。同省羅平県社会保険事業管理センターの会計担当者・史勇容疑者は、2002年8月から2006年3月までに間に、基金を収入として記帳せず、総額196万元(約2744万円)を着服し、賭け事や愛人を囲うなどに使っていたという。同容疑者は背任罪で15年の有期懲役が科せられた。
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