【大紀元日本11月18日】CNN報道グループドイツ語部門の2006年最優秀記者の受賞式が11月16日、ドイツのミュンヘンで開かれた。ドイツテレビ1チャンネルのアリヤナ・レモース記者は、中国死刑囚の子供の生活を報道するドキュメンタリで、テレビ放送ジャンルの最優秀記者賞を獲得した。
「父は死刑囚室に監禁されている」と題するこのドキュメンタリ報道の中で、アリヤナ・レモース記者は北京市郊外の順義城区付近にある「児童村」を調査訪問し、死刑囚の子供の生活に焦点を当てた。この小規模の児童村の正式名称は「北京市特殊児童救助研究センター」(略称、太陽村)。そこで生活する100人あまりの子供は、現代中国において社会的に排斥されている特殊存在である。
孤児らは、両親あるいは、片方の親は死刑執行されたり、刑務所で服役したりしている。これらの子供たちは、政府に見放されている上、親戚などにも拒否され、一般の孤児院は受け入れない。そのため、このような境遇に置かれている多くの子供は、家無き子と化し、物乞いで生計を立てていた。
報道によると、太陽村は2000年に成立した民間機構で、これまでに600人以上の囚人の孤児を収容した。現在では、下は1歳、上は18歳までの子供が生活している。太陽村の運営資金は、主に外部の援助に依存している。施設内には、子供たちが住む小屋8棟が建てられ、小屋の門前の看板には、協賛者の名前が書かれている。その中に、ドイツのダイムラー・クライスラー社や、スイスのノバルティス薬品会社などの名前が見受けられる。太陽村のもう一つの収入源は、村長・張淑琴氏が借りている1万7千平方メートルの果樹農園で、約3万本の棗の木を栽培し、子供たちは農園の労働に従事することで、一部の収入を得ている。
アリヤナ・レモース記者が製作したこのドキュメンタリ報道は今年6月に、ドイツでアクセル・スプリンガー報道賞を受賞した。
中国は、世界で処刑される囚人の数が最も多い国である。中国当局は死刑囚の正確な数を公表しないため、国際社会による中国の死刑囚数の統計に大きな開きがある。アムネスティ・インターナショナルは中国当局の政府メディアの報道に基づいて、昨年一年間に処刑された死刑囚は、1770人以上に上ると試算した。その他の人権団体の統計によれば、毎年中国で処刑される人は1万人に達するという。中国刑法の規定に定められている死刑の罪は68種類、その中で、中国当局が反体制者を弾圧するために常用する「国家機密漏洩罪」も含まれている。