【大紀元日本11月15日】山西省太源市では毎日、大量の医療廃水が処理されずに公共下水道へ直接排出され、深刻な汚染をもたらしている。医療廃水の排出は毎年300万トンを超えているという。
中国大陸メディアの報道によると、太原市にある病院施設150カ所の内、廃水処理を行っている病院はわずか10カ所だけで、全病院数の6%に過ぎないという。太原市の各病院から出る廃水を検査した結果、重金属の鉛と水銀含量は遥かに基準を超え、さらに、廃水の中には、虫の卵や大量の細菌、ウイルスなどの病原菌などの生物的や化学的、放射性などの有害汚染物質が見つかっているという。
専門家は、工業廃水に比べ、医療廃水はより深刻な危害を与える可能性があるとし、処理されない廃水が直接都市の排水系統に流れ込めば、水田の灌漑及び魚貝類の養殖、食物連鎖を通じて最終的に人類に危害を与えてしまうと警告した。
環境保護活動家によると、太原市の深刻な医療廃水排出問題が生じた原因は、法律を守れば守るほどコストが高くなるからだという。
情報筋によると、病院施設が1つの項目のみの廃水を処理する場合、数十万元~百万元(約数百万~数千万円)の設備投資が必要だという。しかし、廃水の垂れ流しで科される罰金の最高額が10万元(約15万円)であり、さらに、罰金は一度しか科されないため、病院側は資金を医療設備や病棟の建築に投資しがちで、環境保護設備への投資は消極的であるという。
中国では医療排水汚染のほか、石油化学工業界が各水域に対する汚染も極めて深刻である。中国国家環境保護総局副局長・潘岳氏によると、2005年の松花江汚染事件以来、中国ではすでに150件以上の水汚染事故が起きており、平均2~3日に一度の割合で水質汚染事故が発生しているという。
また、国連は人類発展年度の最新報告で、世界規模範囲内で汚染されている水は銃弾より殺傷力が強いと指摘し、衛生的な水や衛生設備を備えていない国に住む世界10億人のために、全世界的な規模の行動計画を構築中であることを明らかにした。
国連は、衛生的な水の飲用は収入の多少に係わらず、すべての人がその恩恵を受けられるようにすべきであると主張した。
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