【大紀元日本11月12日】腐敗・汚職追放の機運が高まる中国で、4大銀行の1つである中国建設銀行の張恩照・前代表取締役が先週、情報管理ソフト購買契約を交わす見返りに400万元以上の賄賂(約7000万円相当)を受け取ったとして、懲役15年の判決を受けた。判決では、賄賂を贈った企業として外国IT企業の名前が次々と挙げられ、IBM、シスコなどのIT社以外、日立集団の子会社・香港HDSも言及されたという。日立中国は、この件について現在調査中と発表した。
北京商報9日の報道によると、北京第1中級人民法院の判決文の中で、IBMは張氏への贈賄を仲介した販売代理人に22万5000ドルを渡したと言及された。鄒(ゾウ)という姓の販売代理人が張氏にIBMを紹介したという。判決書の中、日立集団会社の香港子会社HDS(日立データーシステム)の名前も挙げられたという。 一方、IBMと日立ともこの件について明確な回答はなかったが、日立中国の広報担当は現在調査中と発表したという。
また、北京の「新京報」10日の報道によると、司法関係資料では、2004年末、中国建設銀行は情報管理システムを導入しようとした際、販売代理人の鄒氏が、IBM、NCR、日立、シスコの四大外資IT企業を張氏に紹介したという。張氏の供述によると、鄒氏が自分は日立のものは質がよく、IBMより安いと薦め、銀行側の技術部門に推薦するよう要求したという。しかしその後、銀行の技術部門はIBMの製品を以前からも使用しているため、日立製品との併用によって故障が生じるリスクが高いとの説明により、張氏が日立の導入を諦めたという。
「新京報」の報道によると、HDS社の担当者が記者に「内部審査資料を調べた結果、HDS社は張恩照と関わりがなかった」「不道徳な行為を絶対容認しない」と返事したが、同社アジア太平洋地区市場責任者からはコメントはなかった。
報道によると、中国に進出している外国企業は近年、利益を獲得するため、中国の腐敗・汚職の風潮を助長しているという。例えば、2003年のウォルマート社が政府官僚に贈賄を渡した事件、2005年に米資のDPC天津子会社が、病院の医者に160万元(約3千万円相当)の賄賂事件などがある。特に近年、外資IT企業は、ITシステムの強化に数千万ドル規模の投資をしている中国の大規模国有銀行との契約を獲得するため、激しい競争を繰り広げている。張氏事件は、その中からたまたま露見したもので氷山の一角に過ぎないという。
統計によると、中国では最近10年で、少なくとも50万件の贈収賄事件が起きている。その内、6割以上は国際貿易または外国資本と関わりがあるという。世界銀行の予測によると、中国などの発展途上国に毎年輸出した総額の5%以上、つまり500億~800億米ドルは現地の腐敗官僚のポケットに入っているという。
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