中国司法官:司法界の腐敗、司法官の低素質を指摘

2006/11/05
更新: 2006/11/05

【大紀元日本11月5日】中国最高人民裁判所所長・肖揚氏および最高人民検察院検察長・賈春旺氏は、10月30日に全国人大常委会へ提出した報告書の中で、裁判官および検察官が法律執行に不透明で、職責を軽んじること、違法な事件調査・処理の問題が依然と存在し、贈収賄や腐敗が社会に対して、極めて悪影響を与えていると指摘した。

報告書では法治理念の欠乏、事件調査・処理の不透明化、手続きの不公正、自由裁量権利の乱用、汚職贈収賄、腐敗堕落などを含む裁判官の不正行為を10項目として挙げた。そのために、現在は80数万件の裁判案件が山積みになっており、法的執行が行われていないと指摘した。一方、人民検察院の法律執行者間で起きている問題について、検察長・賈春旺氏は、古い観念、法律の不履行、検察権の乱用、利権交換などの4つの現状を挙げた。

肖氏は、裁判官の素質は向上する必要があるとし、また、賈氏は法律執行活動の監督を強化すべきであると主張した。

関係者は、国家司法機関で現れた問題について、裁判所の機能を向上させ、法律の執行者の業務処理能力、レベル・アップをするほかに、腐敗を食い止め、管理を強化することが必要であるとし、社会監視と管理において、特に基本層の人民大会に民衆も参与することによって、腐敗等の現状を抑制できるとの意見を示した。

また、北京弁護士の莫少平氏は、最高裁判所および最高検察院が指摘した弊害はすべて現状に合っており、普遍的であるとの見解を示した。莫氏は、中国司法に対する改革の核心は司法の独立性を維持することであり、そうでなければ、公正に正義たる執行は難しいとの意見を示した。

肖氏は、司法は大衆の根本利益を守ると同時に個々の公民の利益も守らなければならないとし、民衆も司法に参与し、法治を通じてあらゆる利益訴求を整合させることが現段階における社会協和を実現する必要条件であると示した。

一方、香港大公報の報道によると、深セン市の中級裁判所は9月に、裁判所の副所長を1人、裁判長を3人、多数のベテラン裁判官および法律執行者に対して調査を行ったという。深セン市裁判所関連の20数人の院長と裁判長が重点調査された。一方、中共政府の報道機関である新華ネット・河南頻道の報道によると、今年4月以降、河南省では法律に違反した400人の裁判官に対して処罰をしたという。