【大紀元日本10月19日】オーストラリアの一実業家が30年の歳月をかけて研究開発に成功した「メタル・ストーム」と呼ばれる最新兵器の技術に、中共軍部が接触をはかっていることがこのほど暴露された。オーストラリアの9チャンネルのテレビで10月1日に放映されたニュース番組「サンデー」によると、中共軍部は莫大な報酬金額を提示して在豪華僑や同製品を開発した実業家マイク・オドワイヤー氏にアプローチしてきたという。番組に登場した華僑ビジネスマン楊軍氏は、2005年に中国を訪問した際、中共上層部の父親を持つ友人からメタル・ストームのエージェントになることを持ちかけられた。最初はその気になったが、豪州へ帰ってしばらくして考えが変わってそのビジネスを断り、テレビでその接触を暴露した。
楊軍氏は、1989年の六四天安門事件当時の学生リーダーの一人であり、後にオーストラリアへ逃れた。楊氏は、現在豪州華人総商会会長になっており、華僑界で活躍している。大紀元はこのほど、楊氏にテレビで事実を暴露した理由についてインタビューを行った。以下はそのインタビューの一部抜粋である。
記者:現在、社会では、「自分のために動いてくれない人は天地の罰を受ける」といった利己的で自己中心的な考えが横行している。そんな中、あなたには今回非常に大きな商機がありながら、どうしてそれを放棄できたのか。その心の推移を紹介してもらえないか。
楊軍:特に重要なのは、私がオーストラリアに帰ってから、『九評共産党』(共産党についての九つの論評)を読んだから。中国と商売をするなら、徹底的に中国共産党を知らなければならない。
毛沢東が死んだ時、私はまだ19歳だったが、共産党に対してそれなりの認識があった。私は毛沢東のことを信じておらず、彼の死は悪魔の時代の終わりだと思っていた。六四天安門事件の時、私はまた立ち上がって共産党に反対し、学生リーダーとなった。自分では共産党に対してはっきり認識していると思っていた。でも、実際には、その時私は共産党に対してまだその本質を認識できていなかった。
以前は、中国へ行くビザを申請しても中共当局はくれなかったが、1999年以降は中国へも行けるようになった。今思えば、それは一派を見方にして別の一派に打撃を加えるという中国共産党の統一工作だったとわかった。というのは、99年7月20日に当局が公に法輪功の弾圧を始めたからだ。『九評共産党』を読んではじめて中国共産党の邪悪さがわかり、その本質がはっきり見えてきた。
それ以来、共産党とは商売をしてはいけないと認識し、そのため、今回のビジネスも放棄を決めた。当時私の手元には、ほかにもいくつか中国との大きなビジネスがあった。
記者:このよう問題を公に暴露すれば、人に「祖国を愛していない」現われだと思われるかもしれないが、この点についてどう考えているか。
楊軍:中国共産党=(イコール)中国ではない。この(武器)ビジネスは共産党がしているのだ。私は自分の祖国を愛している。中国を愛するからこそ、中国が暗黒に向かってほしくないし、この武器ビジネスで汚い役を演じてほしくないのだ。なぜこう言うかというと、いったん中共がこの武器を掌握したら、世界と人類にもたらすのは平和ではなく、災難だからである。
中国共産党には今でも整った民主制度も真の司法システムもない。中国共産党は、政権を握って以来、勝手に人を逮捕し、殺し、多くの維権人士(市民の権利を守る活動に従事している有志)を捕まえ、陳情者を捕まえ、殴り、殺した。共産党の一党独裁によって、私達の祖国や素晴らしい山河がこんなにも傷つけられ、こんなにも多くの災難がもたらされ、中国の自然生態は破壊された。(共産党の)罪悪は、数え切れないほど多い。
実は、9チャンネルのこの番組は、中共の邪悪な暗黒勢力がすでにオーストラリアに手を伸ばしたことに注意するよう、善良なオーストラリア人に警告しているのだ。もし、オーストラリアがこれらの中国に売るべきでない武器を中国に売ったならば、将来中国が戦争を始め、世界平和を破壊した時、オーストラリアも逃れられない責任を負うことになるのだ。
その事を経験した当事者として、それを言い出さなかったら、私は、人間としての最も基本的な道徳と良心に背くことになる。
*『九評共産党』:「中国共産党による民族文化の破壊」、「中国共産党の殺人の歴史」など、9つの角度から中国共産党を評した大紀元グループの社説。世界22カ国語に訳されており、アメリカでは報道賞を受賞。