【大紀元日本10月4日】今月2日に行われた国連のアナン事務総長の後任選びで、韓国の潘基文(バン・ギムン)外交通商相が常任理事国全5カ国の支持を獲得し、次期事務総長の座をほぼ確実なものにした。韓国政府は次期国連事務総長のポスト獲得に向けて、対外的経済援助に力を入れてきたとみられている。
英国タイムズ紙9月29日付けの報道によると、ソウル側は潘基文外相を事務総長に選出するため、票集めに尽力してきたという。韓国は、アフリカ国家の中でも、特に安保理非常任理事国のタンザニアおよびアフリカ連盟への経済援助を強化し、欧州とは互恵的な貿易協定を結ぶなど、対海外に向けてのアピールを強化してきた。ペルーに対してはグランドピアノの贈呈まで行ったという。1991年から2003年に韓国が行った対タンザニア経済援助金額は470万米ドル(約5億5460万円)だったが、潘外相は今年5月、1800万米ドル(約180億円)の経済援助を承諾したという。
国連事務総長の座を狙っていたほかの候補者は、タイ・タクシン政府の副首相スラキアット・サティアンタイ氏、インド籍国連事務次長シャシ・タルール氏、ヨルダン駐国連大使ザイド・フセイン王子、スリランカ籍国連前軍縮局事務秘書次官ダナパラ氏、アフガニスタン前財務相アシュラフ・ガーニ氏、およびラトビアのワイラ・ビケフレイベルガ大統領などがいた。
今回を含めた予備投票すべてで2位に選ばれたインドのタルール国連事務次長は、この日の結果を受け、「潘氏が次期事務総長になるのは明白だ」と述べ、立候補の取り止めを表明した。