【大紀元日本9月12日】湖南省岳陽県の飲用水源で9月9日、砒化物による汚染が発生した。現地の環境監測センターが調査した結果、ヒ素の含有量が標準の10倍に達している。
中国紙「新京報」の報道によると、汚染源は上流50キロの臨湘市にある化学工場、その工場の廃水池が漏洩したため、高濃度のヒ素を含有する廃水が大量に新チャン河に流れ込んだ。
監測センターが9日に公表したデータによれば、新チャン河の監測断面および岳陽県浄水場の取水口の水を調査した結果、ヒ素の濃度は0.31-0.62mg/Lに達し、基準の10倍に達している。
新チャン河は岳陽県の8万人あまりの住民の飲用水の水源である。汚染事件が発生した後、関連政府部門は、水道水を飲用禁止する通知を出し、汚染を起こした化学工場は操業停止を命じられた。現時点において、汚染源が遮断され、川水の汚染物は処理中だという。
経口摂取されたヒ素化合物は、神経組織、血管、肝臓、腎臓、その他の組織の細胞に障害を与える。繰り返し摂取した慢性中毒の場合には、症状がはっきりと出ないので、診断が難しい。
中国関連政府部門の調査によると、飲用水の水源となる地表水の約25%、地下水の約35%は安全基準を満たしていない。2004年12月22日、中国水道部の部長・汪恕誠氏は、「全国70%以上の河川や、湖が汚染され、高濃度なフッ素や、ヒ素を含有する水源、住血吸虫、有機化合物に汚染された水源などが多数存在、農村部の3.6億人の飲用水は不安全で、そのうちの1.9億人の飲用水には有毒物質の含有量が基準を超えている」と公表した。
世界保健機構(WHO)の飲用水のヒ素含有基準0.01mg/Lから推算すると、中国ではヒ素中毒の人口は1500万人に達する見込み。