【大紀元日本9月10日】中国共産党(中共)の党学校が主導する「学習時報」紙に8月31日、『中国にある外国のNGO組織をどう見るのか』と題した文章が発表された。その後、人民日報などの政府関係メディアが題名を『一部外国NGO組織は、中国の政治安定を破壊し、中国の腐敗を助長』と変えて転載した。
中国問題専門家・何清漣氏は、「学習時報」紙が発表した同文章は、中共当局の海外NGO組織に対する政策の見直しを示すシグナルの公開として考えられると分析。何氏は、「外国NGO組織を中国国内に入れるとは、中共の『対外開放』項目の主な内容である。しかし、ここ2年間、『花革命』の発生を防ぐことが中共当局の中心任務となり、外国NGO組織に対する統制がますます厳しくなった」と指摘した。
*外国NGO組織に打撃を
「学習時報」紙の報道は、中国における外国NGO組織の活動は、中国にとって潜在的な脅威をもたらしていることが強調した。すなわち、外国NGO組織は、中国の国家安全と政治安定を破壊し、腐敗を助長し、さらに、中国国内に外来のやり方を持ち込む恐れがあると強調した。
「外国NGO組織は、中国社会領域で貧困を助けおよび環境保護などの公益事業活動を行う際、外国の思想意識および価値観、活動方式、組織形式、運行機制および発展模式などのものを中国社会に持ち込む。これら外来の、大部分が西側国家のものは、中国の社会領域に影響をもたらすだけではなく、中国の社会制度の変革を引き起こし、中・長期において間接的に中国政治領域に対して深刻な影響をもたらす」と記述されている。
何氏は、この記述の中の「外国の発展模式を中国社会に持ち込む」とは「平和の発展」、「花革命」を指しているとみている。
ラジオ自由アジアの報道によると、北京のエイズ活動を行っている「愛知行研究所」は、外国基金協会の資金援助を受けているNGO組織で、退職させられる羽目になった同研究所責任者・胡佳氏は、「中国の関係部門は、フォード基金協会を含むすべての外国の基金協会は、中国に対する外国の敵対勢力の道具であるとみている」ことを明らかにした。
*民衆の支持による色革命を阻止
また、「動向」誌の報道によると、昨年5月19日に胡錦濤が主導する政治局常任委員会拡大会議での「保先活動」(「保持共産党員先進性教育活動」の略で、共産党員に「先進性」を維持させるための教育活動)」議題に対して、常任委員がそれぞれ発言した。しかし、胡錦濤は民衆の支持による花革命を防ぐことについて延延と話したと言う。胡錦濤は、爆弾のない人民戦争をすることを提起し、NGO組織を弾圧し、「決して、人権擁護の旗の下で我々(共産)党に対して革命運動を起させてはならない」と揚言した。さらに、「道義のある指導者はいらない、エリツィン、ヴァーツラフ・ハベル前チェコ共和国大統領、ポーランド共和国第二代大統領のレフ・バウェンサ、アウンサンスーチのような者はいらない」と語気を強めたという。
「動向」誌の編集長・張偉国氏は、「胡錦濤が『花革命』を全面的に封殺すると揚言しているが、中国ではすでに「黒色革命」が起きていると」し、中共統治下の社会の暴力団化(黒い社会)がエスカレートしていると指摘。同氏は、さらに、「中共のとっては、一党専制の既得利益を維持のためには暴力団社会は良くても、花革命はいらないことを現している」とも指摘した。
*対外開放政策は逆転する
何清漣氏は、中共当局の最近の渉外政策を分析すると、同時に次の3つの現象が現れていることが分かるとし指摘している。
1.中国にある外国企業内で党支部および労働組合を設立している。中共当局の本当の目的は、働く職員のためではなく、企業のコントロールを強化するためである。
2.外国NGO組織に対する開放条件範囲を縮小し、「花革命」を阻止するために世論の準備をする。
3.これまでに歓迎されていた外国資本も、最近は中国で排斥を受けている。中国企業が海外で企業買収した場合、中国国内世論では中国のグローバル化とされるが、海外企業が中国国内企業を買収した場合は、その対象が戦略型産業であるか否かにかかわらず、すべてが中国経済安全に危害を加えるものとみなす。
何氏は、これらの情報を総合すれば、中国の対外開放政策は近い内に逆方向へ転換すると判断できると分析している。
*「花革命」-カラー革命ともいう。英語でcolor revolutions, またはflower revolutions。1980年代以来、中央及び東ヨーロッパのポスト共産主義社会を中心に、最近、中央アジアの一部分に広がり起こった政権交代の関連運動の総称。運動の形態は一般的に非暴力であり、民主、自由と民族の独立を主張。