【大紀元日本8月26日】 中国の人権弁護士・高智晟氏が中共に逮捕された件について、全世界各地で反響を呼んでいる。世界各国の政府や、政界要人、民間団体と個人が相次ぎ声を上げ、中共の横暴を非難し、抗議の声は益々高まっている。米国駐中国大使館は関係者を派遣、中共外交部との交渉にあたっている。ドイツや、英国などのEU加盟国も事件への関心を示した。一方、海外の個人や団体は相次ぎ現地の中国大使館の前で抗議集会などを開き、様々な方法で救援活動を遂行している。
米国務省のケーシー副報道官は現地時間8月18日午後の記者会見で、米国政府は中共政権に対し、高智晟氏と盲人弁護士・陳光誠氏の逮捕を「強く抗議した」と公表した。今年4月に、米国下院は全員賛成で決議案を可決、中共政権に対し、高弁護士への威嚇の停止や、同氏の法律事務所の業務再開、その他の人権派弁護士への迫害の停止などを促している。
一方、欧州議会のスコット副議長は大紀元の取材で、「中共政権は今、その独特な隠蔽体質故、生きている法輪功学習者の臓器を強制摘出するとの告発に反応を示している」と指摘、高弁護士の逮捕や、(反中共政権の)香港立法会議員・何俊仁氏が襲撃される事件は、皆中共による反応の一環であると述べた。
豪州で中共政権の臓器狩りについて、巡回演説を行っているスコット副議長とカナダのキルガー(David Kilgour)議員は逮捕の情報を知った後、声明を公表し、高智晟・弁護士への声援を表明した。
この数日間、米国ニューヨークや、日本の東京、福岡、豪州のメルボルンとシドニーなどの各地で、現地の華人団体などは、中国大使館の前に抗議集会を開き、高弁護士の逮捕を強く非難すると共に、同氏を無条件に釈放することを求めた。香港でも大規模の抗議集会が開かれる予定。
政治亡命した中共の元外交官・陳用林氏はシドニーの抗議集会で発言し、「中共政権はマフィアの手段で中国史上最も良識のある弁護士を拉致した」と批判、高氏の2歳の息子を含め、親戚や、家族全員が迫害の対象になっていることを強く非難した。
メルボルンの中国領事館前で開かれた抗議活動で、現地の脱党サービスセンターの代表・藍天氏は、中共政権がこのタイミングで高弁護士を逮捕するのは、8月9日に米国政府に亡命申請した中国東方航空の機長・袁勝氏の事件への注意を分散させるためと指摘した。袁勝氏は、飛行機が上海から飛び立つ直前に、空港関係者に共産党を離脱する情報を伝えたため、公安警察から脅迫を受けた。身の安全を案じる同氏は、飛行機が米国に着陸した後、米国政府に庇護を申請した。同氏の事件で、国内で密かに進行している脱党運動が公に明かされ、共産党への離脱にドミノ現象効果が引き起こされるのを恐れる中共は、高氏を逮捕することで、国内外の視線を転移させようとしているのではと専門家は分析している。
全世界脱党サービスセンターの代表者・李大勇氏はニューヨークに開かれる集会で、高弁護士への救援活動を通して、更なる脱党の熱波を引き起こし、最終的に中共政権の崩壊を導けると述べた。李氏は、高弁護士が中共政権に全国最優秀弁護士に選ばれたことがあるとの実例を挙げ、その高氏が中共に逮捕されていることから、「中共政権が恣意に法制を踏み躙り、中国国民の基本権益を完全に剥奪している。中共が改心することを望むのは無駄だ、この悪党は中国民衆に強いられる災難の根源だ。国民が中共の関連組織から離脱することは、この独裁政権を平和解体する最も有効な手段」と力説した。
一方、国内において、胡耀邦・元総書記(故)の元秘書・林牧氏は22日、大紀元の取材で、高弁護士への逮捕が国際社会に注目されることを期待すると語り、「国連の人権弁護士の組織や、国際弁護士協会(IBA)などは中共に抗議する声をあげるべきだ。いま、中共は民主抗争する活動家たちの繋がりを遮断している。これは中国の民主活動に強い打撃をもたらしている。高弁護士だけではない、その他の人たちも迫害を受けている」と暴露した。
米国の民間団体「対華援助協会」(本部・フィラデルフィア)の会長で、傅希秋・牧師は、「中共政権が高弁護士を秘密逮捕するやり方は、完全に違法している。我々は中国と世界各地のキリスト教教徒に対し、高弁護士とその家族のために祈祷を行い、行動を起こし高弁護士を救援するよう呼びかけている」と語った。
香港の脱党サービスセンターや、大紀元時報などの民間団体と機構は26日、香港市内で、「高智晟を声援、脱党を支持、人権を守る」と題する大規模デモを召集する予定。
中国現地の関係者からの情報によると、高弁護士の自宅周辺には私服警官が大勢配置され、自宅には国家安全局の人が24時間駐留し、家族全員が監視下に置かれ、連絡がまったく取れないという。