【大紀元日本8月26日】中共政権が強制中絶などの不当な手段で人口を抑制していると告発していた中国の盲人人権活動家・陳光誠氏は、24日山東省の中級人民法院(日本の地方裁判所に相当)から、財物損壊罪と、交通秩序撹乱罪(かくらん)で懲役4年3月の判決を科せられた。家族は無罪を主張、上告する構えであるという。
中共の政府メディア「新華社」は24日の英文の報道で、以上の判決内容を伝えたが、国内向けの公式ホームページには、本件を報道していない様子。家族や、陳光誠氏の代理弁護士たちは、政府からの判決内容に関する通知を受けていない、メディアから判決内容を知ったという。
ラジオ自由アジア(RFA)の報道によると、陳光誠氏の妻の袁偉静さんは取材で、今回の有罪判決は、中共政権が人口抑制のために、妊婦を強制中絶させていることを陳氏が告発したことへの報復だと指摘、「主人に科せられた二つの罪はすべて捏造であり、仮に事実だとしても、裁判所が提示した損害金額は5440元(日本円約8万円)で、この金額で試算すれば、一年の懲役刑を超えることがない。しかも、刑法第19条には『盲人が法律、刑法を違反した場合、刑事処罰が免除あるいは軽減される』と明確に定めている」と答え、判決を不服として上告する構えであるという。
代理弁護士・張立輝氏は、「依頼人の陳氏は無罪である。いかなる内容の有罪判決も受け入れられない。懲役1年とか4年とかの問題ではない」と述べた。
一方、中共政権は一時、妻の袁さんが陳氏の共犯であるとの理由で、彼女を逮捕しようとしていた。現在、各方面は袁偉静氏の安否をも注目している。
陳氏の年老いた母親は、判決の内容を聞いた直後、「この社会には、人間の心が残されていない」としか語れなかった。
陳光誠氏は、山東省臨沂市東師古村在住の農民で、高熱で6歳のときに全盲になった。医科大学を卒業した後、法律を独学し、学んだ知識で熱心に社会弱者層を助け続け、現地政権により「市の10大模範人物」にも選ばれたことがある。
昨年、陳氏は国内の法律専門家らに、現地政権が大勢の妊娠した女性に強制中絶を強要する上、不妊手術をも強制したと告発し、国内外で波紋を呼んだ。その後、大勢のゴロツキや、私服警官などを陳氏の自宅周辺に配置され、陳氏が実質上軟禁された。家族や、親戚も様々な脅迫や、嫌がらせを受けてきた。
3月上旬に、別件の事件で、陳氏や村民が現地政権に抗議したが、同日、陳氏の身柄が拘束され、後に「財物損壊」「交通秩序撹乱」の容疑で、6月に正式逮捕された。
今年5月に陳氏は、米国の「タイム」誌に「世界を影響する100人」に選ばれた。
一方、初公判の8月18日の直前に、陳氏を支援しようとして、現地入りした人権派弁護士、高智晟氏が中共に逮捕された。高弁護士は、中共政権による法輪功への集団弾圧の違法性と迫害の中止を訴え続け、ここ数年社会弱者層や、土地が強制徴収される農民などを支援する活動を遂行してきた。今年、中共政権が生きている法輪功学習者の臓器を強制摘出する告発が出されてから、高氏は自ら行った法輪功への迫害の実態調査を根拠に、この告発の信憑性が非常に高いと表明、独立調査団に参加することを宣言した。その高氏は「中国の良心」として海外でも名が知られ、米国や、EU諸国の政府や、政界要人、国際人権団体などに注目されている。そのため、中共政権が高氏を目の敵と見なしても、公然に逮捕することを避けてきた。
中国問題の専門家は、中共によるこのタイミングでの高氏の逮捕は、一石二鳥の狙いがあると指摘、「いま、中共政権が生きている法輪功学習者の臓器を強制摘出するとの告発について、豪州や、カナダ、英国などの政界要人が相次ぎ、国際社会による独立調査の必要性を言及し始め、政府レベルでの動きも見られている。これは中共が最も恐れていることの1つである。陳氏の案件を処理する過程で、高弁護士を逮捕することで、国際社会の注目の的を臓器狩り事件から陳氏の案件に転移させると共に、捏造した罪状で高氏を消すことを図っている」と分析した。
米国国務省のケーシー副報道官は8月18日、陳、高両氏の事件に注目していると示唆し、中共政権に対し容疑を明らかにすることや釈放を求め、「中国が法治国家であるかどうか疑いを招いている」として、北京の米大使館を通じて強く抗議したことを明らかにした。欧州連合(EU)の政界要人たちも高氏の逮捕に注目している。
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