【大紀元日本8月24日】小泉首相が8月15日に靖国神社を参拝したことに対して、中国政府は日本に抗議する一方で、中国各地に対しては反日デモを禁止している。専門家らは、こうしたやり方は、中国共産党(中共)政権の常套手段であると分析、必要な時に扇動し、そうでない時に禁止するというのは、中共の統治制御でよく使われる手口であると指摘した。
2005年4月16日、民衆の反日デモに警察が現場で警備(写真:目撃者が提供)
中共、反日デモを禁止
情報筋によると、小泉首相が靖国参拝の前日に、深圳や北京等の反日インターネットサイトでは、すでに反日デモの呼びかけを掲載していた。深圳の警察当局は反日運動団体の代表者らに対して警告したほか、14日より市区での警備も強化したという。また、当局はメディア関係者に対しても、反日デモの取材、報道、参加を禁止した。
香港情報筋によると、香港で登録済の中国民間対日賠償連合会は、16日に北京で記者会見を開く予定(すでに許可を得ていた)だったが、北京市公安局国保大隊に未申請未許可であることを理由に阻止されたという。
中共手中のカード
政治評論家・曹長青氏は、中共の全体主義は実質上非常に脆弱であるため、ヤクザのような手段で統治を維持するしかないと指摘し、中共は日本を譴責すること自体は、道義上の憤怒から来るものではなく、政治を玩弄し、民族主義感情を扇動することによって、自らの統治の合法性を強化する目的であると分析した。
曹氏は、中共当局は反日デモに関して、政権維持に有利である時、軍部の支持をさらに得られる時、または大災難が発生したなど人々の関心をそらしたい時に、民衆を扇動し反日運動を起こすのだと指摘し、中共は日本や国際環境を無視し、自らの統治の需要によって動くのだと分析した。
中共は何故反日デモを抑制するのか
米国時事評論家・司馬泰氏は、目下、中共が反日を抑制した理由の1つとして、日本の経済援助政策を求めたいから、日本政府の感情を損ねたくないと指摘した。また、曹氏はそれに加えて、中共自身の統治が脅かされることを危惧するからだと分析した。
8月11日読売新聞が発表した最新民意調査では、日本人が中共政権に対して67%が「悪い印象」を持ち、中共に対する不信頼度が65%に達しており、1988年以来最悪な記録となっている。また、麻生外相はウォールストリート紙で、中国や中国人民に対して反対しておらず、中国に対して、正常な国家・民主国家を期待しているだけだとの意見を発表した。
中共が反日で問題にしたため、日本の対外投資は昨年の4月より中国からインドへと転換した。また、中共にとって、尖閣諸島問題、外海石油所属権問題が公開されれば、中国民衆が、台湾に相当する面積の国土が何故ロシアへ永久に渡ったのか、または何故、江沢民が売国の秘密条約を結んだのかと疑問を抱き、中共自身の統治が脅かされる恐れがあるため、反日デモを抑圧したとみられる。また、日本は過去30年間、対中の低利息貸付は300億米ドル(約3兆5100億円)を超えていることから、中共はこの資金源も失いたくないとみられる。
中国愛国者は中共に反対すべき
曹氏は、日本の戦争責任は過去のものであり、しかし、中共は今日でも、いまだに多くの中国人を惨殺しており、さらに大きい罪を犯していると指摘し、真に中国を愛する中国人は、中共の罪を追及し、専制統治を終結させるべきであるとの見解を示した。同氏は、中国共産党が殺害した中国人は、第二次世界大戦時の日本軍の殺戮者を越え、罪はさらに重大であると指摘した。
行く先がますます狭くなる中共
司馬氏は、中共自身がしっかりしておらず、国内の社会問題が複雑に発生しており、中共当局が恐れれば恐れるほど、外部への対応などの道がますます狭くなり、それが反対にまた、中国の社会問題に影響をもたらすと分析した。
一方、中共当局は、統治するのにもっとも有効な方法とは情報封鎖であると考えている。そのために、外部からは証拠が見つかり難く、中共は悪事を働いていることを認めず、その上、ウソやでっち上げで、仕舞いにはしらを切ることも多かった。
中共はこのようなヤクザ的なやり方で今まで来たが、日々増加している中共脱党者数や中共の悪事を暴露する人々自身が活きた証拠であり、中共が崩壊するまでは長く待つこともないのであろう。