中国政府が9月より、国内アニメ産業の保護措置として、ゴールデンタイムでの外国アニメ番組の放送を禁止する見通しとなった。中国メディアが13日報じた。
共産党では、外国のポップカルチャーが国の若者に与える影響を懸念している。
新華社と新京報によると、ラジオ・映画テレビ監督庁は、9月1日から毎日夕方5時―8時までの「ゴールデンタイム」の間、全ての外国アニメ番組の放映禁止措置についてすでに決定を下しているという。
禁止令の正式発表はまだなされていないが、地方テレビネットワーク各局では、すでに新しい条例について通知を受けている。「シンプソンズ」などの外国アニメ番組の放送は、8時以降でのみ行うとしている。
「南方都市報」の社説では、この条例は優遇政策で業界を一掃することで、中国国内のアニメ産業を救済しようと目論んだものとしているが、「これは、全くの近視眼的な政策で、中国アニメ産業の根本的な問題の解決にはならないであろう」とし、国内産業を保護する割当方式を導入するのが合理的かつ必要な方策だが、外国のアニメを禁止し、国内のアニメをゴールデンタイムに強制的に放送するのは筋が通らないと見ている。
調査によると、中国の子どもたちの約8割が外国のアニメを好んでおり、日本のアニメがほとんどだ。
中国国内のアニメは子どもたちに人気がなく、スポンサーがつかないため、ゴールデンタイムに放送することができないでいるのが現状であると、新華社は伝えている。
9月1日からゴールデンタイムに放映するためには、国内外のアニメ制作会社によるアニメ番組の共同制作し、ラジオ・映画テレビ監督庁の認可を得る必要がある。
[ロイター13日=北京]