【大紀元日本8月6日】8月3日朝、京杭大運河で工業用硫酸を運搬している貨物船の沈没事故が発生し、積載していた220トン硫酸がすべて運河へ流出したという。今回の事故は近年、杭州で起きたもっとも重大な水上危険化学物汚染事故であるという。
上海「新民夕刊」紙によると、杭州市余杭区海事部門は3日、船主から、京杭大運河・余杭区武林検査所より南1500メートルの沖合で、貨物船が沈没したとの報告を受けた。同貨物船は船倉および船首しか水面に出ておらず、大量の魚の死骸が水面に浮かんでいるという。情報によると、流出した硫酸の濃度は98パーセントであるという。
事故発生後すぐに、貨物船の回りに刺激臭が蔓延し、付近の住民たちは涙が出て、のどの痛み等の症状が出て、呼吸困難を訴える住民もいたという。目撃者によると、当時、貨物船は揺れながら前進していたが、暫らく経ってから、船尾から沈み始め、濃い煙が上がったという。
一方、地元の環境保護、安全監視など多くの部門関係者は事故後、現場へ駆けつけ運河の水質検査測定を行い、硫酸濃度を中和するために300トンの水酸化ナトリウムを投入したという。
事故発生後、浙江省嘉興、湖州および杭州の3ヵ所の水門は臨時に閉鎖され、他の船の事故発生現場の河川区への進入も禁止した。
情報によると、事故当日の午後、京杭大運河杭嘉湖区域は開通されたという。一方、4日午前までに、上海市水道局水資源署の職員は、事故の連絡はまだ受けていないとし、上海市近辺の水域に悪影響があるかどうかについて、コメントを控えた。