【大紀元日本8月2日】中国で、金持ちが自家用車を防弾仕様に改造するのが、密かなブームとなっているようだ。中国紙「重慶晨報」の報道によると、重慶の自動車企業「金冠汽車集団」はこのほど、防弾自動車の注文を大量に受けた。顧客はほとんど億万長者の炭鉱主や、不動産業者で、ホンダ、BMW、アウディなど日本や欧米の高級車を改造したがるという。
注文を受けた同社副総裁・蒲世全氏は、自社が改造した防弾自動車について、「窓ガラスは金槌で30分間殴打されても割れない。タイヤは銃で撃たれても、50キロの時速で50キロぐらい走れる。車の下に手製の爆弾が仕掛けられても、まったく支障なく走行できる・・・・・・」と紹介し、一般的な拳銃や79式自動小銃、手製の爆弾は、防弾車をまったく破壊できないと説明した。また、同氏によると、改造された防弾車の外観は、普通の車とまったく同じで、肉眼では防弾加工されていると判別できないという。(スモーク・ガラスによる車内の)隠蔽性も富豪たちに気に入られているようだ。
防弾改造の費用について、ジープの場合、約60-70万元(日本円約1千万円)であるが、ホンダやBMWなどの高級車の改造仕様になると、費用はさらに高くなるという。
蒲世全・副総裁の話では、5月に開かれた「第三回警察博覧会」に展示した後、このような防弾仕様の注文を4件取り付け、他10社の社長たちもその必要性を口にしているという。触手を伸ばしている顧客のほとんどは億万長者で、誘拐された場合の身代金は、一般に数億元、少なくとも5000万元以上とみられている。
米国ではこのほど、マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長が、その資産の一部を米国社会に還元寄付したことで話題になったが、中国では貧富の格差の拡大や、治安の悪化に伴い、金持ちを狙った強盗や、利益をめぐる暴力闘争が頻発、富豪たちは「自分の身は自分で守る」と、身の安全を守る方に必死のようだ。