【大紀元日本8月1日】中共軍政界筋によると、胡錦濤総書記は服従しない中共軍政界の上層幹部らに対して、「アメとムチ」で手なずけ、自らの党政権力を整えようとしているという。
ニューヨークに拠点を持つ中国語ネット新聞「多維新聞網(ドォーウェイ・ニュース・ネット=Dwnews.com)」によると、胡総書記は2004年秋に軍事権力を接収管理してから、まだ完全に解放軍内部大権を掌握しておらず、一部の幹部、特に赫々たる家庭背景を持つ太子党(幹部の子弟)のグループは、胡氏の地位の合法性に対して挑発的であるため、同氏の権力は未だに不安定であるという。
報道によると、政党が軍隊に対して絶対的な服従を要求している際、一部の幹部は、胡総書記が軍事権力を握ると、憚ることなく次から次へと自らの主張を公表し、総書記を気落ちさせたという。例えば、前中共国家主席・李先念氏の娘婿で、空軍副政委・劉亜洲氏は昨年、政治改革を求めたという。また、中共人大常任委員・朱徳氏の孫である朱成虎少将は昨年、メディアに対し、米国が両岸問題で軍事的な干渉をした場合、中共は核兵器にて米国へ報復すると揚言した。中共はその後、同発言はあくまでも朱氏個人の見解であるとし、当局側の観点ではないと説明したという。
さらに、本年3月、前海峡両岸関係協会(海協会)会長・汪道ハンの息子・汪致遠准将は、香港のメディアに対し、中共は航空母艦戦闘群を建設することを発表したため、海外各界が中共の軍事拡大を強く懸念したという。
報道によると、これらはっきりと意見を発表した幹部らは、胡総書記が軍事を制御する努力の妨げとなり、中共の外交を複雑化したという。特に米国との関係における懸念が生じ、現在、米側は常に中共解放軍の行動を注目しているという。
これらの人々を篭絡するために、胡総書記はこれまでに5人の太子党出身の幹部を抜擢し、重要ポストに置かせ、支持を望むと同時に、言うことを聞かない幹部に対して、懲らしめる方法も打ち出しているという。実際、胡総書記は、服従しない幹部に見せしめをするために、中共海軍副司令官・王守業氏に対して、弾圧行動を行ったという。また、今年は、約千人の解放軍上層幹部が審査調査を受けるという。
アナリストらは、中共当局のこうした動きは二重の意味があるとし、1つは、腐敗の防止。もう1つは、反逆幹部の一掃と分析している。
中共は、1949年に政権を打ち立てた後、軍部内の汚職腐敗は一度根絶されたが、ここ20年、中国の市場開放、経済改革に伴い、汚職腐敗は再び軍部内に起きている。