11日開かれたEU財務相会合で各国財務相は、欧州中央銀行(ECB)による追加利上げ観測にもかかわらず、ユーロ圏経済成長率への自信をあらためて示した。
ベルギーのレインデルス副首相兼財務相など一部の財務相は経済成長への圧迫を避ける必要があるとして若干の警戒感を示したが、全体的には経済成長が実際に加速していると認識しており、ECBの持つインフレ懸念が定着しつつあるとの見方も一部で出た。
スペインのソルベス第2副首相兼経済・財務相は「われわれはインフレを緩和する取り組みを強化しなければならない」と発言。
ギリシャのアロゴスクフィス経済・財務相は「インフレを抑制する必要があるが、同時にユーロ圏の力強い回復を確実に維持しなければならない」と述べた。
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼財務相)は10日、「中銀がトリシェECB総裁が前回の記者会見で示唆したような方向に動いても誰も驚かないと思う」と述べ、金融市場で早ければ8月3日と予想されている利上げを覚悟しているかのような姿勢を見せている。
欧州委員会のアルムニア委員(経済・通貨問題担当)は、過去数年間低迷してきたユーロ圏経済は健全に加速しているように見えると指摘。自身の2006年の成長率予想を2.1%から上方修正することも十分あり得ると述べた。
[ブリュッセル 11日 ロイター]