【大紀元日本7月5日】レコード業界の国際団体によると、中国国外の複数のレコード会社が、「検索エンジン・ヤフー中国が非合法に音楽製品をダウンロードしていることに対し、著作権侵害行為として、中国の新しい法律を適用して提訴する考えである」という。一方、米当局や学者たちは、「中共は知的財産権の保護および法律の執行を強化したといっているが、現状は思わしくない」との見解を示した。VOAが伝えた。
国際レコード業協会のジョン・ケネディー会長は、記者会見で、「ヤフー中国が数社の海外レコード会社の著作権を侵害していることで、現在、示談が行なわれている」と発表した。また、「今回の示談が成立しなければ、数週間内に、ヤフー中国に対して提訴する可能性が高い」との見方を示した。
ある音楽会社が「ヤフー中国は、著作権を無視し、音楽をインターネットにダウンロードし、自社のホームページのリンクとして、使用者へ提供している」と指摘。EMI, Universalなどのレコード会社7社は昨年、中国最大検索エンジン「百度(バイドゥ)」に対して、ヤフー中国と類似したケースで、すでに提訴したが、バイドゥ社との示談では合意 に達することができなかったという。
国際レコード業協会は、「中国国内の音楽のコピーは、すべて非合法なものである」と指摘し、「音楽盗作品による売り上げ金額は毎年、4億米ドル(約460億円)に達する」と主張している。ケネディー会長は、「類似した著作権侵害問題の訴訟は、米国では賠償金額は数千万米ドルを下らない」とし、それより高い金額もありうると強調した。
中国では、インターネットで音楽、映画およびその他の音声材料のコピーを行う違法者に対して、懲罰を科す新しい法律が7月1日に執行された。違法者は10万元(約140万円)人民元の罰金が科されるという。
ヤフー中国、バイドゥは両社とも、音楽盗作品を提供する会社とリンクしているといわれている。新しい法律によると、「リンクする側は、提供された音楽が盗作品であることを知りながらリンクしていた場合、盗作品を提供した側と同様に、法律上の責任を問われると」いう。同法律は、検索エンジン会社にとって、「重大な法律的責任があり、各リンク先に対して、事前に調査を行わなければならない」ことを意味している。
米商務部は、「中共側の知的財産権の保護に対する法律的な執行の緩みが、貿易パートナーとしての最大の欠点である」と指摘した。中国では、個人用パソコンの需要が世界2位であるのに対して、ソフトの需要は世界の25位に過ぎないという。産業関係の統計によると、中国の個人用パソコンに登載されているソフト製品は、9割が盗作品であることが分かった。
米商務部の国際知的財産権・法律執行担当のクリス・イスレイヤ氏は、「ブッシュ政権は、米企業を保護し、世界経済の繁栄のために、中国における知的財産権侵害の制止に尽力している。中国が世界の主要経済大国へ躍進して繁栄を獲得するためには、自己が承諾したことを実行、実現しなければならない」と語った。
胡錦濤主席は4月の訪米で、中国国内における知的財産権の保護強化に尽力すると約束した。しかし、米企業研究所のバエフェルト研究員は、「中共は努力しているが成果がみえない。中国の市場の大きさ、知的財産権の侵害件数、その他の様々な要因があるが、米国が『中国は、国際社会において、知的財産権侵害問題のもっとも深刻な国と見なしている』のは道理のあること」と述べた。
米貿易代表オフィスは、少し前に公表した「2006年度特別301報告」で、世界における知的財産権侵害のもっとも深刻な国のトップに中国を挙げた。同報告によれば、「米国は、中共当局が知的財産権侵害問題に対して、法律執行を強化して現状を改善しなければ、世界貿易機関(WTO)を通して中国を提訴する」という。
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