【大紀元日本7月3日】米国のキリスト教団体が最近公表した調査報告書によると、中国では過去1年間に家庭教会(地下教会とも称する)の牧師を含め、2千人近くのキリスト教信者が中共公安当局により逮捕され、多数が拷問などを受けたという。
米国VOAの報道によると、「対華援助協会」(本部・米国)は6月26日、「中国での家庭教会への迫害」と題する報告書を公表し、2005年5月から2006年5月までの間に、中共政権に迫害された家庭教会の牧師と信者の状況を紹介した。
「対華援助協会」の会長・傅希秋牧師によると、報告書は過去一年間に集めた情報を纏めたもの。全国15の省や市で、合わせて1958人の家庭教会の牧師と信者が逮捕された。その中で迫害状況がもっとも深刻なのは河南省。逮捕された信者は800人を超え、そのうち5人は米国籍。逮捕された信者への虐待や拷問手段は最も残酷であり、一部の信者は罰金も科された。
傅希秋牧師は以下の実例を挙げ説明した。これらの実例にはすべて証拠があるという。
本年3月13日、河南省温県で、80人以上の信者が復活祭に参加している最中に逮捕された。信者たちは収容所で様々な虐待を受けた。例えば、72歳の馬氏と21歳の2人の女性が裸にされ、21歳の女性はブラジャーまで強引に脱ぎ取られた。
また、もう1人の李公社という牧師は身体障害者にもかかわらず、警官から殴るけるなどの暴力を受け、肋骨が折れてしまい、全身が動けなくなるまでに放置され、その後病院に搬送された。病院の診断書や牧師の証言映像などの証拠が残されており、今後、段階的に証拠を公開していくという。
傅希秋牧師は「家庭教会の伝道牧師は、中共政権がコントロールする関連組織『三自愛国協会』に加入していないため、弾圧されている。政府関連組織に登録を強要する目的は、家庭教会を制御するためである」と言う。
一方、中共政権はキリスト教信者への人権侵害を否認し続け、社会に危険性のある宗教を鎮圧しているとし、信者は政府が認める教会で宗教活動すればよいとしている。
中国でのキリスト教信者は約8千万人に達しているというが、その大半は、独立の家庭教会に所属し、中共政権が承認した政府教会を認めていない。