スペイン裁判所、チベットでの中共によるジェノサイド犯罪を審理開始

2006/06/08
更新: 2006/06/08

【大紀元日本6月8日】スペインの裁判所は6月5日から、中共に対するチベットでのジェノサイド犯罪の告訴審理し始めた。原告は人権団体・「チベットを支持する委員会」。

米国VOAの報道によると、スペインのある法律では、外国で進行している人権犯罪についても国内で告訴できると定めている。「チベットを支持する委員会」はこの法律に従い、中共政権によるチベット民族へのジェノサイド犯罪を告訴し、江沢民・前国家主席や、李鵬・前総理およびチベットに駐在する軍と情報局の幹部5人を提訴した。

スペインの裁判所は6ヶ月前にこの告訴の受理を承認した。スペイン全国第二裁判所は6月5日から、法廷審理を始め、調査に着手した。モリノア裁判官は、スペイン国籍のチベット人テゥブテン・ワンチェン(THUBTEN WANGCHEN)氏を証人喚問した。「チベットを支持する委員会」の駐スペイン協調者のアラン・カントス(ALAN CANTOS)氏によると、1958年ワンチェン氏の母親は彼がまだ幼い子供の頃に、中共の軍隊に拉致され、その後音信が完全に途絶えた。中共政権が1951年にチベットに侵入してから、約百万人のチベット人が行方不明あるいは殺されたという。

カントス氏は「チベット人が中共に強いられた迫害体験を始めて公で証言できた。これはチベットの正義を推進する歴史的な瞬間である」と述べ、モリノア裁判官はすでに英国とカナダ政府に対し、別の2人のチベット人の証人喚問への協力を要請したと明かし、この2人は中共によるチベットでのジェノサイド犯罪の被害者であるという。

また、モリノア裁判官はスペイン外務省に対し、チベットと関連する国連のファイルと決議案や、被告の職責、チベット人被害者のあらゆる情報をすべて提供するよう要請した。