「天安門大虐殺」の17周忌、世界各地で追悼イベント

2006/06/04
更新: 2006/06/04

【大紀元日本6月4日】17年前の1989年5月、北京を中心に、中国各地で大学生は政治の改革や、官僚腐敗の厳罰などを訴え、民主運動を起した。中共政権は戦車や大量の軍人を北京市内に調達し、6月3日夜から4日の朝方にかけて、天安門広場周辺で抗議活動をしている大学生への武装弾圧を始まった。戦車が青年たちの体を踏み潰し、機関銃を持つ兵士は学生や市民に向けて乱射し、大勢の人々がこの武装弾圧で殺された。この事件は後に世界を震撼させた「天安門事件」(国内では「六・四事件」と称する)である。本年6月4日は17周忌にあたり、例年同様に世界各地で追悼活動などが行われ、海外に脱出した当時の学生リーダーたちも、引き続き中国の民主実現のために、尽力すると表明した。

殺された人々

北京に進駐する戦車の大群

香港では5月28日、1千人以上の市民が「愛国民主デモ」に参加、「六四事件の冤罪を晴らし、民主運動を支持する」などのスローガンを掲げた。参加者は中共の独裁政権が崩壊しない限り、六四事件の犠牲者への冤罪を晴らすことや、中国での真の民主の実現は不可能と訴え、中国での脱党運動を支持する意向を表明した。6月4日、香港支聯会が維園でロウソクの追悼集会を開き、会長の司徒華氏は、「中共政権の統計によれば、去年一年間で、国内で8万件の暴動が発生した、換算すると平均6分間に一件が発生する。民衆の公民意識とパワーが強まっていることを示すと同時に、国内の政治腐敗や、官僚と商人の癒着の深刻さを表し、社会弱者層が置かれている悲惨な状況が露呈された」と指摘、今年の記念活動で「民主運動を支持する」との主旨を取り

香港でのデモ行進(大紀元)

入れた経緯を説明した。

東京では6月3日、民主中国陣線日本支部や、中国民主運動海外連合会議日本支部、在日中国人連合会などが上野から秋葉原周辺でデモを行い、中共の「天安門事件」を譴責し、国内外での1千万人の脱党を声援した。

ニューヨークの中国領事館の前で、「六四事件を記念、民主抗争を支持」と題する抗議活動を遂行、当時の大学生リーダー2人が講演し、虐殺を記録した写真の展示や、ロウソク追悼イベントも行われた。

そのほかにも、ロサンゼルスや、ワシントン、シドニー、ロンドン、トロントなどの都市で、講演会や、シンポジウム、記念デモ、虐殺写真の展示会、追悼イベントなどが行われた。

一方、国内での中共政権が「天安門事件」の冤罪を晴らす可能性があるとの説について、当時の学生リーダーである王丹氏は、「これは中共が国内外の圧力を軽減させるための宣伝工作の一環に過ぎず、まったく事実無根であり、その罠を信じてはならない」と述べた。

米国下院国際関係委員会の副委員長で、人権事務議員団のメンバー、共和党議員クリス・スミス(Chris Smith)氏は、「六四天安門事件」17周年を記念するため下院第794号共同決議案を提出した。

スミス議員は、「我々は天安門広場で発生した事件を忘れてはならない。民主や自由、人権のために奮闘した勇敢な青年の多くが殺害され、処刑され、生存している者は強制労働収容所に送られた。全世界の民衆はこの事件を永遠に銘記すべき、これは勇敢なる英雄たちの真実であるからだ。将来のある日、中国で民主と人権を尊重する政権が誕生するときに、若者たちの冤罪が正されるはず。我々はこの希望を抱き続け、亡くなった英雄たちを偲ぶべき」と語った。

スミス議員は、クリントン大統領が執政中に中国の国防部部長・遅浩田氏が訪米した際に、「天安門広場で誰一人が殺されなかった」と発言したことを挙げ、これは真っ赤なうそだと厳しく譴責し、天安門事件のような人権を踏み躙る事件は毎日中国で発生していると指摘した。

スミス議員は「中共政権はこの事実を隠している。残念なことに、多くの欧米社会の人々も中国の人権状況が改善されていると信じようとしている。実際の情況はまったく異なっている。我々は天安門精神を大事にし、消滅させてはならないのだ。あの人たちは世界で最も勇敢な人である」と述べた。

中共政権が将来、「天安門事件」という歴史を公正に評価することが実現できるかの質問に対し、スミス議員は、「これは非常に良い質問だ。胡錦涛政権とその他の指導者は、自ら犯した反人道の罪状を認めたくないのは明らかだ。しかし時間の推移につれ、新しい指導者が誕生するときに、もしかして、この指導者は宗教信仰の影響を受けたり、欧米社会の教育を受けたりしているとしたら、彼は自由を有することの重要さを気づくはず。そうなると、中国国民が自由を享有できる日がやってくる」と見解を示した。

当時、天安門広場に掲げられていた毛沢東の画像にインクや、玉子などを投げつけたため、中共から「反革命破壊罪」を言い渡され、16年の懲役刑を服した魯徳成氏は出獄後、2005年にカナダへの脱出に成功した。同氏は大紀元の取材で『私は当初の決断を後悔していない、これからも自分が選んだ道を歩んでいく。「独裁政権は必ず崩壊し、民主は必ず勝利する」と確信している。中共政権が国民に犯した罪は計り知れないほど重大で、この悪党には必ず天罰が下る』と語り、国際社会に対し、中国国内で民主のために奮闘し続けている大勢の無名の勇士たちを支援して下さることを懇願し、彼らは中華民族の大黒柱と希望であると述べた。