【大紀元日本5月28日】ロシア軍兵士4人がこのほど、チェチェン南部ヴェデノ近郊の基地で攻撃に遭い死亡した。他に将校を含む兵士3人が負傷、ロシア軍当局は容疑者を捜索中。今回の攻撃は、分離過激派によるものとみられている。ロシア陸軍の将官によると、チェチェンは沈静化しつつあるが、まだ安定には程遠いという。
BBCモスクワ支局員のジェームズ・ロジャース氏によると、戦闘は、第一次チェチェン介入時よりははるかに沈静化しているものの、治安はいまだ不安定だという。アムネスティー・インターナショナルは23日、ロシア軍とチェチェン合同軍が結託し深刻な弾圧を実施、その年度報告によると、誘拐、拷問、殺害、拘置等がチェチェンで頻繁に見られ、告発されることがないという。
チェチェンを巡るロシアの確執は民族紛争に由来、当地の回教徒は長らくソ連邦体制化で支配されてきたが、体制崩壊後に独立の気運が高まった。1994年12月、ロシア軍による第一次チェチェン介入により内戦に発展、さらにプーチン大統領就任後の1999年、大規模な第二次チェチェン介入が開始され、空爆などで難民20万人を出した。カスピ海沿岸のバクー油田、チンギス油田はロシアの外貨獲得源であり、その輸送パイプラインが首都グロズヌイを通ることも事態を複雑化している。