【大紀元日本5月23日】中国瀋陽駐在・韓国総領事館の保護を受けていた脱北者 4人が垣根を越えて脱走、米国総領事館に進入して亡命手続きを踏んでいることが 19日確認された。
韓国ニュースサイト・デイリーNKによると、今回の米国亡命事件は今月以来の第2度目。今回の事件は、中国や東南アジアで奴隷労動とトンネル生活、人身売買、強制送還などの受難を経験している脱北者に米国公館進入がすなわち米国行きという希望を与えるものとみられる。米政府による当事件の処理結果によって、今後の中国と東南アジアの米外交公館に進入する脱北者の数字も増えるように思われる。またこれによりもたらされる、さまざまな外交的摩擦を憂慮する声も出ている。
これまでに脱北者8000人余が韓国に入国したにもかかわらず、なぜ脱北者たちは韓国外交公館の保護施設まで離脱して米国行きを希望するのか?デイリーNKは脱北者たちの意見を聞いてみた。
「韓国は脱北者にとって生活しにくい」と 考えながら、 2003年 8月モンゴルを経由して、韓国入りした脱北者キム・ヒョンホ(38歳、仮名)さんは、「私と一緒に入国した脱北者たちも隠れ家を脱出してモンゴル駐在米国大使館進入を試みた事がある」と明らかにした。当時米国行を決心していたキムさんは、「先に入韓した友人から 、韓国は働き口もなくて、暮しにくい」と聞いた。「それで米国に行こうと思った」と語った。キムさんは 、「あの時韓国大使館の忠告で米国行は取り消されたが、無理すれば行くこともできた」と述べ、当時の状況に関する詳しい供述は避けた。
2003年入韓した脱北者キム・ヨンス(43歳、仮名)さんは 、「脱北者たちは中国にとどまりながら多くの消息筋を通じて米国行を決心するようになる」、「中国で VOA(米国の海外向け放送)と RFA(自由アジア放送)を通じて米国に対する情報を得てから、米国行きを希望するようになる」と語った。
韓国政府による対北政策、脱北者政策に反対する団体のキム・ウンチョル氏は 、「入韓脱北者たちは北朝鮮の人権と脱北者問題に対する韓国政府の政策を不満に思っている。今回、米国領事館に進入した脱北者たちもその影響を受けたのだろう」と語った。キム会長は、「現政府は脱北者たちの北朝鮮人権の実状に関する証言を煙たがる。政府の対北支援も金正日政権だけを生かす政策で、脱北者の大部分がこれに反対している」と語った。「在中脱北者たちが韓国政府の対北政策と脱北者政策をどのようにして知るのか」という問いに、キム会長は「最近の脱北者たちは、韓国に先に入国した家族と連携することが多く、韓国情勢に対してよく分かっている方だ」と語った。
去る 5日、脱北者 6人の初米国亡命消息が伝わった後、米国行を願う在中脱北者たちが増えている。彼らは国連高等難民弁務官室(UNHCR)があるタイなどで行く先を変え、米国亡命を仲介する脱北者支援団体を探している。
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