【大紀元日本5月15日】中国最大の鶏卵生産を誇る大連韓偉グループは、年間300万羽の産卵鶏を養殖、年間5,800万キログラムの卵を生産し、生卵の一部を日本、韓国、東南アジアにも輸出している有名な大型鶏の飼育企業。同企業の養鶏場は4月中旬から現在までの一ヶ月間に、鶏が大量に死んでいるのが見つかった。「鳥インフルエンザ」発生の懸念は高く、地元政府も密かに鶏の糞や死んだ鶏の販売を禁止する命令を発布したが、マスコミはこの事件について報道しておらず、衛生関連部門も鳥インフルエンザへの注意を呼びかけていない。現在、同養殖場で出荷した卵は依然として各地に運ばれ販売されている。さらに、死んだ鶏は処理された後、別の食品加工場で焼き鳥になり、大連のスーパーで販売されているという。
韓偉グループの養鶏場は、大連市旅順口区三澗堡鎮東泥河村の海に向っている5つの山の上にある。それぞれの山に、種鶏、雛鶏、産卵鶏などの養鶏場4カ所と孵化場が設置されている。広さ約二百万平方メートルで、産卵鶏300万羽は300棟の鶏舎で飼育されている。記者の単独調査で、南側の鶏舎で飼育されている鶏はすべて死んだという。現在は、北側の鶏舎で出荷した卵が市場に出ている。両養鶏場の位置はまだ特定されていないが、死んだ鶏は100万羽以上と推定されている。
同養鶏場の警備は非常に厳しく、一つの入り口には3人の警備員が配置され、警備員の様子から見て非常に警戒しているようだ。11日、養鶏場の内部をよく知る地元の農民の話によれば、十数日前から毎日鶏が大量に死んでいるという。5月1日に専門家が養鶏場に入ったが、結局対処できず、今も毎日大量の鶏が死んでいくという。
また、他の農民によると、4月中旬に鶏が次々と死に始めたにもかかわらず、養鶏場の職員が毎日死んだ鶏をトラックである場所に運び出し、地元の農民を雇い、死んだ鶏の毛を抜く下処理をしてから、再び食品加工場に運び、大連のスーパーで販売させたという。地元の農民らは加工された鶏を食べないようにお互いに注意し合っている。鶏の毛を抜く作業は養鶏場の所在地でもある東泥河村と近くの許家ヤォ村で行われていたという。許家ヤォ村に死んだ鶏を運送し、村民を雇って鶏の毛を抜かせたのは韓偉グループ社長である韓偉氏の義理の父であると地元の農民らは話している。
地元政府と養鶏場はいまだに「鳥インフルエンザ」ではなく、「家禽ペスト」と説明している。しかし、人々はその説明を疑っており、しかもこの事件を報道したマスコミは一つもないという。地元の農民たちは「このような重大なことは、なぜ報道されないのか?韓偉グループが金を持っているからと言って、政府は人命をどのように思っているのか」と怒りをぶつけた。
さらに、一週間前に大連テレビが韓偉グループの「ゴゴダ」卵が最も信頼できる食品で、市民が安心に食用できると宣伝したということだ、と大連の市民が話した。北京の大型スーパーではいまだに「ゴゴダ」卵が販売されている。
農民からの証言から見ると、5月1日専門家が養鶏場に入り、「家禽ペスト」はコントロールされていないばかりか、鶏は依然として大量に死んでいる。5月1日後、養殖場付近の村では突然死んだ鳥の加工が停止されたという。死んだ鳥の毛を抜いたことのある農民が記者の質問を受けたとき、鳥の毛を抜いたのを否認し、「話したら殺される」とおびえていた。
仕事上、養鶏場と関連しているある農民は12日、死んだ鳥は養鶏場で埋められたと話した。養殖場の近くに住む農民たちも、養鶏場で大きな穴が掘られていたのを見たと話した。
さらに、5月10日から、地元政府は農民に対して養鶏場から鳥の糞を購買しないようと命令を下した。この命令に違反すれば、何千元の罰金がされると言う。しかしながら、10日前までに、毎日、同養鶏場から鶏の糞を積んだトラック数十台が出入りして、付近の農民たちに鶏の糞を売っていたという。
地元の農民たちによると、最近、養殖場外部から卵が運送されるようになり、これらの卵は「ゴゴダ」ブランドに包装されてから、またトラックに積まれて各地に販売に運送されるのだという。
「ゴゴダ」卵は上海、北京、天津、大連、ハルピン、長春、瀋陽、青島、威海、撫順などの地区で販売されているだけでなく、日本、韓国、シンガポール、香港、マカオなどに輸出されている。上海の華聯、聯華、家得利、楽購や北京のウォルマー、家楽福、燕莎、物美等全国各地でチェーンストアを持つ大手スーパーで、「ゴゴダ」卵は市場より3倍以上(500グラム6元)の値段で販売されている。
韓偉グループの代表取締役社長である韓偉氏は、東泥河村の出身で、地元の政府機関に勤めたことがある。現在、韓氏は全国政治協会委員で、中国家禽業協会会長をも務めており、韓氏夫婦は十年もフォーブス誌の富豪ランキングに掲載されている。地元の人々の話によると、韓氏は大連市歴任の市長とかなり親しい関係を持っていて、常に銀行から莫大な資金を借り入れることができるという。法輪功弾圧と腐敗問題で糾弾されている薄熙来氏が大連市長を務めたとき、韓偉氏は薄氏に巨額な献金をしたという。