【大紀元日本5月12日】中共海軍副総司令官・王守業容疑者は、巨額の公金を横領し、愛人5人に私的流用したとして、中央軍事法廷の一審判決で執行猶予つきの死刑を言い渡された。
香港誌「争鳴」の報道のよると、中央軍事法廷は4月10日、海軍副総司令官・王守業容疑者が1997年から2001年までの5年間、総後勤部副部長及び基地設営部長の在任中に、職権を濫用し、総額1億6千万元(日本円約24億円)を横領したとの容疑を立件、一審では、執行猶予つきの死刑判決を下した。当案件は、これまで公開された軍内部汚職でも最高額で、最高位の将官(中将)。
王守業は去年12月23日、海軍司令部の定例会議の席で総参謀保防部により緊急逮捕された。席上、中央軍紀委・張樹田氏から逮捕状が示されたときに、王はバッグから拳銃を取り出し、自殺を図ろうとしたが、保防部特警に執り押さえられた。検査によると、王容疑者の用意したドイツ製消音器付き拳銃は、既に実弾が装填されており、末日を予期していたという。
王守業容疑者が逮捕された後、北京市と南京市にある自宅2箇所が家宅捜査を受け、人民元5200万元(日本円約8億円)、250万米ドル(日本円約2億8千万)が押収された。一方、彼が管理する軍部名義の秘密口座には、5千万元(日本円約7億5千万)の残高があり、王の自白によると、既に軍部同僚に2千万元(日本円約3億円)を福利厚生の名目で分配したという。
一方、王守業容疑者の貪欲は金銭面だけに留まらなかった、計1200万元(日本円約1億8千万円)を5人の愛人に「献上」した。ちなみにこの愛人5人は、南京軍区文工団、総政文工団、北京軍区文工団、陸軍軍事学院党委机要員、総後勤部一般事務員等、皆が軍部関係者。問題発覚のきっかけを作ったのは、そのうちの1人、蒋某という愛人。蒋某は王との間に男の子を出産したが、王容疑者はその事実を隠蔽しようと、関係を断ち切ることを迫った。これに対し、蒋氏は数百万元の手切れ金を要求したが、王容疑者は百万元しか承諾しなかった。そのため2人の関係が拗れて、蒋氏は2年間に、軍の最高司令部や、中共指導部に告発状計58通を送り、毎日海軍の官舎前で内情を暴露するビラを配り続け、最終的には、王容疑者を告発することに成功した。
王守業容疑者は、汚職を指摘された5年間に、四年に渡り「優秀共産党員」、「優秀幹部」などに選ばれ、さらに二度叙勲した。しかし、同容疑者は日ごろ男女関係が非常に不謹慎で、遊び人として名が知られている。仕事の面においても責任感が欠如しているとの内部評価があるという。このような人物が軍の副総司令官の座に登りつめたのは、いったいなぜであろう。愛人の蒋氏が2年間上層部に告発し続けたが、まったく相手にもしてもらえなかった、最後の58通目の告発状で、ようやく中共は重い腰を上げ、調査に乗り出した。今回の汚職事件は、中共上層部の官僚汚職の一角に過ぎないとの声が上がっている。
また、今回の汚職事件に少将4人、大佐7人が関与していたことが判明、そのうち5人はすでに退役引退を命じられ、6人は降格処分を受けたという。