【大紀元日本5月11日】中国の原子力潜水艦が一昨年に日本領海内に侵入した件で、米国の専門家はこのほど、ワシントンのシンポジウムで、この潜水艦は故意に日本領海内に侵入した可能性が高く、目的は海底調査だと指摘した。
2004年11月、中国海軍の「漢級」攻撃型原子力潜水艦が日本領海内に侵入し、海上自衛隊の追跡をかわし逃亡、後に中共当局は「(侵入は)技術的な誤り」と発表していた。
これについて、米国海軍大学の研究員・アイクセン氏と副教授・クデシュタイン氏はワシントン現地時間の8日、中国海軍の水中戦力に関するシンポジウムで共同論文を発表、「中国海軍が故意に日本領海内に侵入して海底調査を実施した」と指摘した。
2人は中国海軍の潜水艦を研究する米国専門家で、論文の中で中国海軍の長期的戦略目標が、原子力潜水艦の強化と潜水艦発射弾道弾能力にあると指摘した。論文では、中国の原子力潜水艦が、石垣島と宮古島付近の日本領海内に侵入、その後の動向からして海底調査が目的との結論に達した。
分析によると、中国海軍の潜水艦が日本領海内に侵入する理由は、事件発生後の動向から見て、石垣島と宮古島の間の狭く長い水域が中国潜水艦の主要な海底調査対象となっているからで、「漢級」潜水艦は、海底調査の目的で容易に日本領海内に侵入できる能力があるという。
「漢級」潜水艦が日本側によって発見された地点は、公海から120km離れており、東シナ海を頻繁に航行する当艦長が「技術的な誤り」を犯したとは考えにくく、事件発覚後に胡錦涛国家総書記が関知していなかった事実は、中共指導層と軍高官に不協和音があり連絡が不十分であったことが伺える。