米国コラムニスト:胡錦濤の宣伝機械

2006/05/07
更新: 2006/05/07

【大紀元日本5月7日】ニュース・マックス・ドッド・コム(New Max.com)ウェブサイトで4月28日、同サイトのコラム作家レフ・ナブロゾフ氏が、中共の宣伝機械をポスト核兵器強力武器と形容し、中共当局はこの武器を使い、分不相応な世界の最強を望みながら法輪功を迫害している関連論評を発表した。同氏は、中共が法輪功学習者に対する迫害とは、超独裁であるとの考えを示した。大紀元は同氏の許諾を得て、下記のとおり翻訳した。

胡錦濤が中国で発言した「民主は袋小路である」という発言は、中国の記者にまで引用されている。しかし、4月20日のCNNニュース・テレビ中継で、胡氏は何度も丁寧に「民主」という言葉を繰り返した。胡氏は将来、中国にも民主が到来することに言及した。将来とは10年後、100年後或いは1000年後だろうか?何故急ぐのだろう?

胡氏は、民主についての詳しい説明はスターリンには及ばないのだ。スターリンは1936年に、無記名式投票の普通選挙後に、米国などの中産階級国家の偽民主に比べ、真の民主はソ連にあると言明した。

スターリンは言論の自由を例としてあげた。「同志よ、メディアがなければ、今日のような自由は想像がつかないのであろう。中産階級国家では、メディアは裕福な中産階級に属するのに対し、ソ連では、メディアはすべての人民に属するものなのだ。これこそが真の民主であるのだ」と語った。

しかし、スターリンと胡氏がメディアを使い、宣伝する目的は異なるのである。スターリンは自らの国家の新民主を賛美し、中産階級の偽民主を批判する目的は、第2次世界大戦後、西側諸国でより多くの共産党員を培いたいからである。

これに対し、胡氏は中共がポスト核兵器時代の超強力武器を使い、世界の最強を望んでおり、西側諸国の共産党員にはまったく興味はないのだ。故に、胡氏の目的とは、西側諸国が同氏の独裁を忍び続け、彼らが無条件で投降しない限り、中共は、西側諸国の科学技術を最大限に利用し、それをもって西側諸国を消滅させることである。

従って、胡氏は米国では、米国は民主政体であり、中国は将来が民主政体であると演説したのだ。このような僅かな差異は、論争する価値はあるのだろうか?多くの米国人は、中共の創始者はマルクス、レーニンおよび毛沢東であることは知らないのだ。

中共党員は西側諸国において、自らが西洋化されたとし、胡氏は共産党総書記ではなく、民選の「国家主席」であると自称しているのだ。

地理政治学の真実性を確かめるために、胡氏に2つの質問を問いかけるべきである。

(1)中共の独裁専制は現在、法輪功を迫害し、法輪功学習者を処決しているのか?さらに、被害者の臓器による利益獲得ができ、国際的に臓器移植交易を行うために、法輪功学習者の臓器を摘出しているのか?

スターリンは敵を倒すために、「審判実演」を行い、監禁および処決された人は凶悪犯であることを証明した。しかし、法輪功の問題において、中共は法輪功を凶悪な犯罪であることに定義することすら試みっていないのだ。事実上、西側諸国において、致死的な猛威を有する体育活動はあるが、法輪功にはないのだ。

(2)中共の武漢テレビ局雑誌は2000年10月3日の報道は正確であるのか?同報道は、1986年に、防御および攻撃の先進新科学技術(ポスト核兵器の超強力兵器)を設立するための836計画(中共・国家高技術研究開発計画を支援するプログラム)に関する報道である。ニューヨーク・タイムス紙は2000年10月7日報道した中国情報は正確であるのか?同報道では確かに863計画に言及した。

胡氏が、中共のメディアはこれまでにウソを言い続けていることを断言し、本人が4月20日に初めて真実を語ったことを断言しない限り、(1)および(2)の質問の答えは、肯定の回答をすることはできる。

事実(1)および(2)は相互に関連しているのである。法輪功の迫害事件から見れば、スターリンは政治犯に対する迫害が独裁であることを認めていれば、中共は、政治とまったく無関係で、犯罪者であると認められていない法輪功学習者に対する迫害が、スターリンの独裁をはるかに越え、超独裁であるのだ。

大紀元記者・王文怡博士は4月20日のホワイトハウスの集会上で、米大統領に対して、胡氏に法輪功を迫害するのを止めさせることを告げた。

メディアは、王文怡博士が「大声で叫んだ」と報道した。しかし、事後CNNが彼女に対するインタビューを見た際、彼女は母国語が中国語でありながら、非常に奇麗な英語を話していた。彼女は非常に冷静で、理性的で、聡明かつ英雄の気概を持ち備えている。彼女のような英雄や信者がいなければ、自由が跡形も無く消えてしまい、中共の超独裁が全世界を席巻するのであろう。仮に、米大統領から彼女に対して、記者のようにマイクを渡し発言が許されれば、彼女はきっと、優秀な医師が患者に対してしっかりと診断結果を伝えたのであろう。しかし、彼女は警官に強制的に連れ出される前の1分間の内、情報を伝達しなければならなかったのだ。

米国の運命について、この1分間は、西側政治が幾年もの時間を費やし作り出した卑俗な無駄話より重要であり、値するものであるのだ。王博士は政府側に犯罪者扱いされ、米大統領は彼女が集会上で真相を伝えたために、胡氏に謝り、胡氏も喜んで受け入れた。勿論、中国大陸にいる人々はこの一幕を見ることはできないのだ。中共の審査制度はポスト核兵器の超強力武器と同様に進んでいるのだ。

私個人として、ホワイトハウスで、ポスト核兵器の超強力武器に対して、公に非難する他の「医師犯罪者」が現れないことに非常に遺憾に思うのである。中共の超独裁政権は1986年から、このような武器を発展させており、現在はロシアのプーチン大統領とも手を組んでいるのだ。

他に重要なことは何であろう?貿易?大多数の米国経済は、人件費の安い中国大陸へと移転した。中国で米国の商品を販売する価格は、中国人にとって高価であるが、米国で中国の商品は、米国製のものより安価であるのだ。

米国の「専門家ら」は、前代未聞の事件を討論しないばかりか、4月20日に、「中共の人民元は低く評価されたため、米国の製品は中国人にとって、価格は人為的に高くなり、中国の製品は米国人にとって、価格は人為的に安くなるのだ」と発表している。

しかし、注意すべきことは、4月20日にホワイトハウスの前に集まってきた人々は、中共の超独裁を反対する抗議者だけではなく、胡氏を支援する在米華人もいたことである。

1941年と1942年間の冬で、ドイツがモスクワで撃退される前に、ドイツは全世界を支配できるように見えていた。当時、多くのドイツ人はヒトラーを支持した。――彼はドイツ人を他の国の人より超越させることが可能からだ。

これが何故、今日になっても多くのロシア人はスターリンを崇拝していることである。彼はロシア人を世界の統治者にさせるよう試みたからだ。中国人も例外ではないのだ。

中国人の中には、王文怡博士のように高尚で、神聖かつ純潔で勇敢である者もいれば、中共の独裁者が世界を制御することを望んでいる者もいるのだ。特に、米国には、中国人が他国の人より重要で、強大で、優秀であると思わせてくれる者であれば、例え永遠に中共独裁者に信服することになるとしても喜んで甘んじる中国人がいるのだ。

原文

http://www.newsmax.com/archives/articles/2006/4/28/90314.shtml

作者紹介:

レフ・ナブロゾフ氏は、ニュース・マックス・ドッド・コム(New Max.com)ウェブサイトのコラム作家およびジャーナリストである。西側諸国およびロシアの多くの卓越な事績を有するナブロゾフ氏は、1972年にロシアより米国へ移住してから、文明、世界文化、外交政策、戦略、国防および知的な財産関係などに関する1000以上のコラム文章を発表した。彼は卓越な事績を成したため、アインシュタイン賞を授与された。

※本紙は、ナブロゾフ氏が同論評の翻訳を許諾してくださったことに感謝の意を申し上げます。

(記者・陳俊村)
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