【大紀元日本5月7日】イスラエル国会は5月4日、オルメルト首相が率いる連立内閣に対して、信任投票の結果に従い、新政権の成立を承認した。新政権は「国境線」画定を推し進め、パレスチナ人の分離策を打ち出し、中東地図を改める方針であるという。
中央社によると、オルメルト氏が率いる中道政党カディマは、3月28日に国会選挙を勝利し、4週間をかけて新連立内閣の再編会談を行った。新内閣構成員の内、25人がカディマ中道政党より選出される予定であるという。
オルメルト氏は与党の右派連立政党党首ニタンヤフ氏のそれぞれが談話を発表しのち、国会で激しい論争を引き起こした。最終的に投票を行い、出席議員の投票で、65対49の賛成多数で新内閣を承認した。
オルメルト氏は国会で、ヨルダン川西岸占領地にある駐屯・開墾区は孤立されているため、イスラエル自身にとって危険であることを示し、イスラエル人が多数を占める現状を維持するために、パレスチナ人と隔て離す必要があることを強調した。
オルメルト氏は、パレスチナ自治政府と協議を行い、中東の衝突を解決することを望む考えを示したと同時に、イスラム原理主義組織ハマスが主導する自治政府の現状下では、平和的な進展は望めないとの見解を示した。
また、オルメルト氏はすでに、約7万人の駐屯者をヨルダン川西岸占領地から撤退させたという。また、イスラエルが同西岸の主要駐屯・開墾区の制御を強化するため、25万人のイスラエル人の大多数をそれらの駐屯・開墾区に入植させるという。
これに対し、「将来のパレスチナ国家との国境は和平交渉での合意に基づくべきだ」とするパレスチナ自治政府のアッバス議長は同日、新政権との即時交渉再開を求める声明を発表した。