基督教団体、王文怡事件報道でメディア対応に異議

2006/04/26
更新: 2006/04/26

【大紀元日本4月26日】キリスト教系新聞「クリスチャン・ニュースワイヤー・サービス(Christian Newswire Service)」紙4月21日の報道によると、クリスチャン・ディフェンス連合(Christian Defense Coalition)は、中国国家主席・胡錦濤のホワイトハウス歓迎式典で中国人女性記者が中国での法輪功迫害への抗議行動に出た件で、メディアが同記者を騒乱者扱いしていることに異議を唱え、その行動に至った背景である中国での人権や信教への迫害に言及していないことを非難した。

同連合は、女性記者・王文怡(ワン・ウエンイ)氏が、一部のメディアに騒乱者扱いされたことについて、メディアがダブル・スタンダード(対象によって異なった価値判断の基準を使い分けること)を駆使していると批判し、反戦者や、平和戦士と讃えられているシンディ・シーハン(Cindy Sheehan)さんの実例を挙げて説明した。

シーハンさんの息子ケシさん(24)は昨年、イラクに派兵され5日後に戦死した。母親のシーハンさんは、テキサス州にあるブッシュ大統領の故郷の牧場外で、キャンプーを張り駐留し、休暇を取っていたブッシュ大統領との面会を要求、イラク戦争が彼女の家庭にもたらした結果を伝えた。そのことでメディアがシーハンさんを「反戦の母」と讃えた。

同連合は「王文怡事件に関するブッシュ大統領の対応を、中共政権による反人権と宗教の迫害に重点を置くべき、最低限でも、王氏は『宗教権利を訴える人』『言論自由の抗議者』と称されるべきである』と提唱した。

また、同連合は米国政府に対し、王文怡氏への刑事告訴を取り下げるよう促した。

同連合の執行長パトリック牧師(Rev. Patrick J. Mahoney)は、「我々はブッシュ大統領が強硬な立場を取り、中共政権の人権違反と宗教迫害を陳述しなかったことについて、非常に失望した。ホワイトハウスでの今回の出来事の焦点は、ブッシュ大統領の謝罪に当てるべきではない。反対に、ホワイトハウスが胡錦涛・主席と、人権と宗教自由について更なる誠実でオープンな対話を行うべきである」と見解を示した。

また、同牧師は王文怡氏が騒乱者扱いされたことについて、「この女性は、中共政権による法輪功への集団迫害を、国際社会の注意を喚起するためにこのような行動に出た。シンディ・シーハンさんが騒乱者と描かれたことはなかった、しかも私は確信するのは、もしシーハンさんも同様な場面で、王文怡氏のように大声で叫んだとしても、そのようなレッテルを張られることもないだろう」と述べた。

(記者・李大衛)