【大紀元日本4月16日】 米国に脱出した中国人ジャーナリスト金鐘氏(仮名)は先月、中国で法輪功学習者の生体から臓器を摘出・売買する秘密収容所の存在を暴露したことを受け、中共政権による死刑囚の臓器を摘出し、売買する現状について、国際社会は広く注目し始め、各メディアが相次ぎ報道している。このうち、ラジオ・フランス国際放送局(Radio France Internationale)はこのほど、この中国人ジャーナリストを単独取材した。
フランス紙「フィガロ」は4月3日の報道で、中国武漢市の同済医院の陳忠華・外科医の話を引用し、中国での臓器移植の99%は死刑囚からであり、実際に臓器を摘出する際に、体はまだ温かいと報じた。さらにこの外科医が香港紙「南華早報」の取材に対し、囚人から臓器を摘出するのは、中国ではごく普通なことで、公然の秘密でもある、だれもが人倫道徳に違反すると認識していないと語った。
国際保健機構(WHO)は3月、中国を「外国人が死刑囚の臓器を買える国家」と名付けた。フランスの人気週刊誌「観点」は3月23日、「中国は臓器移植の天国であり、米国や、豪州、日本、英国、イスラエルなどの国から、大勢の患者が押し寄せている。外国人に販売する臓器の値段は中国人の10倍以上であり、腎臓移植するには約4万から5万ユーロかかる」と報道した。
米紙「ワシントン・タイムズ」とシンガポール英文紙「新聞報」は、相次ぎ中国の秘密収容所の存在を暴露した中国人ジャーナリストの証言を掲載した。報道の中で、金鐘氏は数年前にSARSの実態を調査した際、瀋陽市蘇家屯地区の中西医血栓医院で、数千人の法輪功学習者が監禁され、生きたまま臓器を摘出され、売買されているのがわかったとしている。
一方、ロイター通信によれば、国連人権委員会の反拷問問題の特別調査官マンフレッド・ノーワック氏は3月30日、ジュネーブで開かれた記者会見で、自力でこの秘密収容所の存在を調査すると明かし、充分な証拠でこのことを証明できれば、中共政権に対して、正式に対応を求める考えを示した。
中共政権は秘密収容所の存在が暴露されてから3週間沈黙し続けたが、3月28日、外交部のスポークスマンは、定例記者会見で初めて事実を完全否認するコメントを発表した。しかし、中国外交部のホームページに公開された記者会見の内容からその部分の発言だけが、完全に削除されている。一方、AFP通信の報道によると、米国務省の報道官は3月30日、中共政権に対し、事実を単純に否認するのではなく、完全に調査するよう促したという。
以下は、ラジオ・フランス国際放送局による金鐘氏へのインタービューの全容である。
記者:蘇家屯の秘密収容所の存在をどうやった発見したのですか。
金鐘氏: 非常に偶然でした。中国での取材と情報収集に関して、多くの場合は、マージャンの席や、公衆浴場または宴会の場で、重要な情報が漏れます。当時は遼寧省の高級幹部から、偶然にこの秘密収容所の存在を知りました。
記者:蘇家屯地区のあの血栓病院に行ったことありましたか。
金鐘氏:はい、行きました。
記者:なにを疑って、この病院を調査したのですか。
金鐘氏:遼寧省衛生庁、衛生局から(臓器摘出・売買する秘密収容所)の情報だけではなく、様々な面から、この病院はとても疑わしいと察知しました。(この病院の地下施設に)大勢の人を監禁しているとの情報は、付近の住民も了解しているようでした。さらにここに収容された人々は、数年経っても、だれ一人釈放される気配がなかったようです。
もう1つは、正門は普通の病院だが、裏門では厳重に警備されています。そこに行った人は、(その雰囲気に)すぐ気付くはずです。現在、ネットでは裏門あたりの写真が公開されていますが、身の危険を覚悟の上、これらの写真を撮影したのでしょう。容易なことではないですから、(その勇気に)感心しました。私が取材に訪れた当時は、写真を撮るのは不可能だった、私服警察が常駐し、あの裏門に接近することが阻止されました。あの人たちは本当に単なる私服警官または警備員であるのか、いまだに私は確証を取れていません。
記者:それではどのルートで、この病院は生存している人体から臓器を摘出し、売買しているとの情報を得たのですか。
金鐘氏:当事者の執刀医から知りました。
記者:あなたは執刀医と接触したのですか。
金鐘氏: はい、そうです。現在ではさらに別の執刀医の奥さん、彼女自身もこの病院の元スタッフだったそうですが、証言に出てきました。
記者:接触した執刀医は、一人ですか、それとも複数ですか。
金鐘氏:私は2、3人の執刀医と接触しました。その人たちは直接または間接的に臓器摘出に関与しました。
記者:できましたら、これらの執刀医が語った内容を、そのまま私に伝えてください。
金鐘氏: 執刀医が私に語った内容ですか。彼らが言った言葉という意味でしょうか。
記者:はい。どうのように人の臓器を摘出するか、しかも生きている人体からの摘出です。
金鐘氏:彼らが当時わたしに伝えた内容は、「我々は大量の臓器を摘出した。摘出後に、その人はまだ死んでない、死人ではない」。当時具体的にどのように言ったのかは、完全にもとの言葉を再現することは、ちょっと難しいかもしれない。でも臓器を摘出した後、まだ死んでいないとの証言に非常に驚きました。
記者:ネットで公開した情報によると、約6千人がこの病院に収容されていたということですが、この数字の信憑性について、どう思いますか。
金鐘氏:完全に正確だと断言できないが、私が当時得たデータや、現在各方面の証人と物証によれぱ、この数字は概ね正確であると理解しています。私だけが提供した数字でなく、別の証人と物証もこれを証明しています。さらにもう1つ、私の試算では現在、このような大勢の人はいません。
記者:6千人は数年前の状況であるとの意味ですか。
金鐘氏:はい、そうです。
記者:それでは、監禁されているのは、どのような人たちですか。
金鐘氏:私の調査によれば、最大の可能性は、法輪功学習者です。ごく一部の犯罪者も含まれているかもしれないが、様々な証拠から判断すると、法輪功学習者がほとんどです。
記者:あの死体焼却炉を見たことがあると聞きましたが、そうですか。
金鐘氏:はい、そうです。
記者:この問題を調査したようですが、調査の結果を教えてください。
金鐘氏:この死体焼却炉は、病院の裏門にあります。現在では、ネットで写真が公開され、調べてみてください。さらに最近、中で働いている農民との対話記録を入手しました。そのなかで、農民は死体を焼却していることを認め、死体から腕時計や指輪などのアクセサリーを抜き取り、売りさばいているという。これらを証拠で示すことができます。
記者:あなたがその農民と話したのですか。
金鐘氏:私が死体焼却炉の農民と会話したとの意味ですか。
記者:はい、そうです。
金鐘氏:私はその農民本人とは接触していません。
記者:それでは、あなたが間接的にこの話を聞いたということですか。
金鐘氏:間接的に聞いたのではないのです。私はこの対話を示す証拠を握っています。
記者:その証拠とはなんですか。
金鐘氏:どういう風に言えばいいのでしょうか…例えば、我々は腕時計や、指輪を買い取るとの名目で農民に連絡をとり、「貴方の仕事場で死体を焼却しているとの情報が流されている、だから容易に腕時計や、指輪などを入手できるだろう」と聞いたら、農民はあっさりと認めました。もちろん農民と接触するときには、彼らも逮捕されることを非常に恐れていました。
記者:農民たちの話では、一日に数人を焼却するのか、それとも十数人を焼却するのですか。
金鐘氏:これについて、農民たちは語らないでしょう。彼らも非常に恐れています。恐らく上の幹部から秘密を厳守するよう命じられたでしょう。一般には彼らは語らないはず。
記者:摘出された臓器は、どのルートで、どこに流されるでしょうか。下請けはどこですか。
金鐘氏:あなたが中国での臓器移植の現状について、了解しているかどうかわかりませんが、2004年中央テレビ(編集者注=中共政権のメディアCCTV)のある番組で「現在、中国の農村部の病院すら腎臓移植の手術をしている」と伝えられました。だから臓器移植の流通ルートは非常に広範囲で、各地に売り飛ばされているのです。場合によっては国外に流されたりもします。
私は疑問を感じたのは、瀋陽では、病院に入院した後すぐに移植手術ができることです。別の地域や、外国の患者が瀋陽にやってきて、ここで臓器移植を受けます。遼寧省では多くの(臓器移植の)仲介業者がこの商売をしている、だから私はそう認識しています。一般的には臓器を待つのが数ヶ月間かかりますが、業者を介すれば、随時に適合する臓器が見つかり、すぐに移植手術ができ、2、3週間もあれば、元気に退院できます。
記者:この情報は病院から得たのですか。それとも皆が知っているのですか。
金鐘氏:このような情報は、ネットでたくさん流されています。瀋陽では腎臓移植の仲介業者がたくさん存在する、これはすでに秘密ではなく、だれでも確認できる情報です。瀋陽市、東北部、大連市など多くの地域で、中国の多くの地域では、この問題は非常に深刻です。我々が今注目している蘇家屯の秘密収容所だけではありません。
記者:あなたは中国から脱出できましたが、現在最も恐れていることはなんでしょうか。あなたは今身分を明かすのを拒んでいますが、なにを一番心配していますか。
金鐘氏:私がもっとも恐れているのは、国際社会や、メディアは私が暴露したこの情報を重視しないことであります。そうなると、私が費やした労力と努力、そのすべてが無駄になってしまいます。
記者:今、あなたの命の安全が脅かされていると感じていますか。
金鐘氏:はい、感じています。そのため私の友人は懸命に私を守っています。
記者:なにか兆しがありますか。
金鐘氏:厳密に監視、尾行されていると感じたことがあります。私の携帯電話には、頻繁に脅迫電話が掛って来ます。
記者:相手はなにを言いますか。
金鐘氏: 英語で「殺す」と言います。
記者:発音から判断すると、中国人ですか、それとも現地の人ですか。
金鐘氏:それはちょっと判断できません。
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