台湾:国民党党首、国連の中国語・繁体字廃止を全力阻止

2006/04/10
更新: 2006/04/10

【大紀元日本4月10日】台湾の国民党党首兼台北市長・馬英九氏はこのほど、米国サンフランシスコ市を訪問、留学生との懇談会で、国連の「中国語繁体字」を廃止する動向に強く反対、国民党は阻止に尽力するとの意向を示した。これは、政治議題ではなく、文化伝承の問題であり、将来大陸との協議機会があった場合、議題として討論し、国連に対しては人類共通の文化遺産として提議するという。

全地球規模の中国語学習熱を受け、国連はこのほど、2008年より現行の「中国語簡体字」を正式の中国語として認証する発表をした。これに対して、馬党首は、文章を書く際の簡体字使用には反対しないが、印刷物の簡体字使用には反対、これは伝統文化継承を考慮してのことで、繁体字各一字の成立には故事があり、簡体字では代用できず、繁体字はわずかに画数が多いだけと主張した。

馬党首は、繁体字および簡体字の違いについて、清華大学の前校長・劉兆玄氏の例をあげて説明した。劉氏は少し前に、大陸長沙の馬王堆地区へ地元の出土文物を展示している会場に出かけ、漢の時代で帛書(絹織物に書かれた書物)に書かれた隷書を読みながら観覧した。側にいた外国人の夫婦は二千年前の漢字を読める劉氏に驚き、何故読めるかと不思議がった。劉氏は「我々台湾人は皆、繁体字を読めるのだが、大陸のガイドは読めないのだ」と答えた。中華文化の伝承において、繁体字および簡体字の差異がこのように明らかであるとの意見を示した。

馬首党は「繁体字」について、正しい系統を示すために、「正体字」と呼ぶべきであると主張し、「簡体字」と相対的な印象付けを避けるためにも良いとの見解を示した。馬党首は、「正体字」は伝統的象形文字であり、覚えにくいが容易に忘れることもないとの意見を述べた。

(記者・楊琴)