【大紀元日本4月7日】英・エコノミスト系調査機関であるEIUが公表した、最新の「世界経済展望報告」によると、2006年及び2007年、世界の経済成長はやや緩やかなものとなり、GDPの成長率は、それぞれ4.2%、4%となる;このほか、EIUは、中国を、世界の経済成長における重大なリスク要因の一つとして挙げており、中国の一部産業における過剰生産能力に加え、投資バブルの兆候が現れていることから、中国経済が、「ハードランディング」の危機に直面することになると強調している。自由時報が伝えた。
重大なリスクとして列挙
EIUは、昨年12月において、2005年及び2006年における世界のGDP成長率が、それぞれ4・3%、4%であると推計していたところであるが、今年の最新の予測値によると、これらの数値が、それぞれ4・5%、4・2%に修正されるとともに、2007年の予測値を4%へと増加させている。昨年及び今年の世界経済成長率がともに上方修正されたものの、EIUは、昨年の経済成長のパフォーマンスと比較して、今年及び来年の全体的な経済成長は、緩和の趨勢となることを強調している。
EIUは、世界経済には2つの大きなリスク要因があることを特別に提起した。それは、ちょうど世界の経済成長の主要な牽引力となっている経済体である中国及び米国であった。
EIUの指摘によると、中国政府は、各地区の経済発展をバランスさせる政策を継続的に推進することとしている。例えば、比較的貧しい中部・西部の省を重点的に開発し、低収入者の待遇、福利を改善するとともに、一部の部門における投資の成長速度の緩和を行うこととしている。EIUは、中国の2006年及び2007年の経済成長率を、それぞれ6%、8%と予測している。
しかし、この5年来、中国の一部産業において、投資バブルが出現している。2005年において緩和が見られたものの、特に、多くの耐久消費財を含む、一部の産業においては、生産能力の過剰が顕著なものとなっている。EIUの指摘によると、今後の2年間において、中国における投資が予想ほどに減少しなければ、中国政府は、最も劣った産業部門に対して資金供給を緊縮させる政策をとる可能性がある。この場合、中国経済において、ハードランディングが発生するリスクが更に高まることとなる。
台湾大学経済学部・張清渓教授の指摘によると、中国経済が高速成長を遂げる中で、既に深刻なアンバランスが発生していたという。例えば、過熱した経済、拡大を続ける固定資産投資、妥当な処理がなされない国有銀行の不良債権などの問題である。特に、拡大を続ける社会の貧富の格差、農村における失業人口の激増などの社会問題は、中国経済のハードランディングを随時引き起こすこととなるであろう。