【大紀元日本4月6日】「生命の中で無償なものはなく、台北当局が北京贈呈のパンダを拒否したのは、それなりに正当な理由がある」。3日付ウォールストリート・ジャーナル紙の「回顧と展望」コラムは、北京当局の外交策略を、「トロイのパンダ」として評論した。
ウォールストリート・ジャーナル紙の評論は、共産党がパンダを贈呈する策略自身はまさしく資本主義者であると指摘、もし北京当局が賃貸料を減額しなければ、アトランタとワシントン動物園はパンダ博覧会の開催を見合わせるとしている(北京当局が対米貿易黒字を見直さなければ、米国にとって重圧の意味)。
同評論は、政治的指導者を投票選出できない共産中国において、台湾へ贈呈するパンダの名前は中共がまさか投票によって決定したことは(嘘ではないか)と分析した。しかも、決定された名前は、「団々」および「圓々」であり、二つの名前を合わせれば「団圓」になり、すなわち、「統一、再会」を意味する。そのことから、中共政権が台湾側にパンダ贈呈する政治目的が伺える。
中共の官員は台湾側がパンダを政治目的のある策略と見なさないようと発言しているが、同評論は、それは中共の官員の歴史に対する認識不足であると指摘した。1972年にニクソン元米大統領が中共と国交回復当時、パンダ2匹の贈呈を受けている。中共当局は、1970年から1980年の間に、パンダ20匹以上を各国政府へ贈呈しており、中国事情を研究する人々は、北京当局の「パンダ外交」を明確に理解しているという。
中共のパンダ贈呈に、台湾の農業委員会は「飼育困難」の理由でパンダの受け入れを拒否したという。また、陳水扁台湾総統も、パンダは本来の生息地に留まるべきであり、贈呈品になり、囲い飼いされるパンダ自身も不快感を覚えるに違いないとの見解を示したという。