【大紀元日本4月4日】中共の機密情報の強要から逃れるために自殺した、駐上海日本領事館の男性館員の遺書を、読売新聞はこのほど入手し、内容の一部を公表した。その中で、中共から受けた脅迫の全容が詳細に記されている。しかし中共のスポークスマンは改めて中共政権の疑惑を完全否定した。
男性館員は、総領事館と外務省との間で交わす機密文書の通信を担当する「電信官」だった。計5通の遺書を残し、そのうち総領事に宛てた遺書には、中国人女性との男女関係を脅しのネタに、中共情報当局が急接近してきた経緯や、機密情報の提供を強要される詳細なやり取りなどが項目別に書き記された。
それによると、「公安隊長」と自称する男が男性館員に対し、領事館館員全員の出身省庁や、接触のある中国人の名前の提供などを執拗に強要したという。その過程で「公安隊長」はときには「友人になろうと」低姿勢で、ときには「あなたが今やっていることは違法で、万一総領事館に知られたら、両国間の問題になる」と恫喝に出る、あるときでは男性館員を取り込むために、脅しの罠を仕掛け、館員を助ける役に買って出たという。その際に用いた中国語文書も存在しており、日本政府はこの文書を重要根拠に、中共政権が「領事関係に関するウィーン条約」を違反したと結論付けたもよう。
窮地に追い込まれた男性館員は中共側が必ず「通信システム」の暗号を聞いてくると察知し、日本国を裏切りたくない一心で、自殺を決意したようだった。
遺書の内容は具体的で、さらに情況を証明できる中国語文書も存在している。しかし、中共政権は一貫として、日本政府の主張は事実無根であると反論、疑惑を完全否定している。
中共外交部の秦剛スポークスマンは、「私はすでに何度も駐上海の日本総領事館の館員の自殺事件は、中国政府とまったく関係がないと表明した。我々が調査した結果、中国政府関係者による自殺者への脅迫が存在しない。自殺者が生前どんな人と接触したかについてもまったく知らない」と事実を完全否認のコメントを再度出した。