【大紀元日本3月25日】米RFA(ラジオ自由アジア)の報道によると、昨年4月に中共当局に10年の刑を科された中国人記者・師濤氏の家族が、息子の個人情報を中共当局に提供したヤフー社に対する告訴を考慮しているという。師濤氏の母親・高琴声さんはRFAの取材に、息子への判決書でヤフーが中国の調査機関に師濤氏の電子メール記録を含む個人情報を漏洩したことが明らかになり、これらの情報はいわゆる「国家秘密情報が含まれている」とされたため、師氏が10年の判決が言い渡されたと訴えた。
師濤氏は中国商業新聞(中国商報)の元記者で、一昨年11月、湖南省の中共幹部の汚職を報道したため、連行され、逮捕された。国外のサイトへ国家秘密情報を送信した罪名で昨年4月30日に長沙で開かれた裁判で10年の判決が言い渡された。氏が海外サイトへ送信したとされる秘密情報は、政府当局が新聞社宛に送ったもので、内容は新聞記者が社会を撹乱する危険性があるというものだった。中国国家安全部は当案件について、これらの情報は当事者以外には秘匿していると主張するが、師氏は自分が送信したことを認めたものの、秘密情報については否定している。高さんは、ヤフーが当案件で恥ずべき行為を行ったとし、中共当局を助けなければ、判決されるはずがなかったとしている。
高さんは、ヤフーが「中国で業務展開するためには中国の法令を遵守する必要がある」として、顧客のプライバシーと人権を無視しつつ、未だ師濤氏と親族に謝罪していない、と非難している。ヤフーへの告訴に関して前からずっと考えていたが、告訴費用がないため実現できず、国際人権組織からの支援を求めたいという。
高さんがヤフーを告訴する件について、RFA放送はヤフーに電話で問い合わせていたが、返答がなかったという。